今日は、新NISAで大人気の投資信託が最高値を更新している状況と、それに伴う今後の投資戦略についてお話しします。
この1年で多くの方が含み益を抱えているのではないでしょうか。
通常、S&P500やオールカントリー(オルカン)などのインデックスの年率リターンは5%程度でシミュレーションされることが多いですが、今年はその常識を覆す結果が出ています。
投資信託の驚異的なリターン
まず、eMAXIS Slim全世界株式(オルカントリー)は、2024年5月19日時点で1年前と比べてプラス42%ものリターンを記録しています。この背景には、CWI指数の回復や、1ドル150円から160円の円安が大きく影響しています。
円安により、円ベースの基準価格が大幅に上昇しました。
さらに、eMAXIS Slim S&P500はプラス45%、ニッセイNASDAQ100はプラス58%、アイフルネクストファングプラスはプラス73%という驚異的なリターンを記録しています。
これらのリターンは、円安と株高の恩恵を受けて実現したものです。
投資信託の1年間のリターンと基準価格の推移
投資信託 | 1年前の基準価格 (2023年5月) | 現在の基準価格 (2024年5月) | 1年間のリターン |
---|---|---|---|
eMAXIS Slim全世界株式 | 1万7730円 | 2万5178円 | +42% |
eMAXIS Slim S&P500 | 2万円 | 3万円 | +45% |
ニッセイNASDAQ100 | 1万1000円 | 1万7000円 | +58% |
アイフルネクストファングプラス | 3万2000円 | 5万6000円 | +73% |
この表からもわかるように、主要な投資信託が驚異的なリターンを記録しています。
特に、アイフルネクストファングプラスの73%というリターンは圧巻です。
売却を検討すべきか?
最高値を更新している投資信託を保有していると、売却を考える方も多いかもしれません。
しかし、長期的な資産形成を目的とするならば、目先の損益に一喜一憂せず、当初の方針を守って運用を続けることが重要です。
特に新NISAでは、非課税期間を最大限に活用するために、長期運用を継続することが推奨されます。
長期運用の重要性
長期運用を前提とするならば、目先の損益で判断せず、じっくりと運用を続けることが大切です。
特に新NISAで保有している分については、非課税期間の長さを活かして気長に運用を続けていきましょう。
例えば、米国株式の株価が30ドルで1ドル150円の場合、1株あたり4500円となります。
これが1ドル100円になると3500円になります。
つまり、円高になれば安く買えるチャンスが生まれます。
現在は円安が進んでいますが、将来的には円高に転じることも考えられます。
その際も積み立て投資を続けていれば、安く買うことができ、長期的には有利になるでしょう。
円安の影響と今後の見通し
最近の円安は、日米の金利差が主な要因となっています。
アメリカはコロナ後の景気対策として利上げを実施し、一時的にインフレ率が10%近くまで上昇しました。
その結果、アメリカの発行する債券は高金利となり、多くの投資家がアメリカを選ぶ状況となりました。
この傾向は2024年中も続くと予想されていますが、日本の金利政策や為替の動向には注意が必要です。
例えば、アメリカの中央銀行であるFRBが利上げを行うことで、アメリカの金利が高くなり、投資家はより高い利回りを求めてアメリカの債券を購入します。
これにより、ドルの需要が高まり、ドル高円安が進行します。
この状況が続くと、日本の投資信託の基準価格は円ベースで上昇しやすくなります。
しかし、日本が将来的に金利を引き上げる場合、円高に転じる可能性があります。
これは、円の価値が上がることで、外貨建ての資産が円ベースで評価額が下がることを意味します。
したがって、為替リスクを考慮しながら投資を続けることが重要です。
継続投資がおすすめのケース
長期運用を前提とする場合、以下の理由から継続投資がおすすめです。
- 将来の株高を逃さないため
- 株価は長期的には成長する傾向があります。
- 特に、米国株式市場は過去150年間で1000倍以上の成長を遂げています。
- S&P500も直近20年間で約5倍の成長を記録しています。市場の成長を逃さないためには、継続的な投資が重要です。
- 為替リスクの分散
- 外国株に投資することで、円安時には評価額が上がる一方、円高時には評価額が下がるリスクがあります。
- しかし、長期的な視点で見れば、株式市場の成長が為替の変動リスクを上回ることが多いです。
- したがって、為替リスクを分散しながら投資を続けることが賢明です。
- 時間の効果を最大限に活用
- 時間は長期投資において非常に重要です。
- 複利効果を最大限に活用することで、投資のリターンを大きく増やすことができます。
- 金融庁の資料でも、保有期間が長くなるほど元本割れのリスクが低くなることが示されています。
売却を検討すべきケース
一方で、特定の状況下では売却を検討することも考えられます。
以下のケースでは、売却が適切な選択となるかもしれません。
- 具体的な目標金額に達した場合
- 例えば、教育資金や住宅購入など、具体的な目的があり、その目標金額に達した場合は、利益を確定させることが賢明です。
- このような場合、目的を達成するために資金を現金化することが重要です。
- 急な出費が必要な場合
- 予期せぬ出費が発生した場合、円安のタイミングで売却して現金を確保することも一つの選択肢です。
- この場合、急な資金ニーズに対応するために、投資資産を流動性の高い現金に変えることが必要です。
投資信託ごとの詳細な状況
eMAXIS Slim全世界株式(オルカン)
eMAXIS Slim全世界株式(オルカン)は、全世界の主要企業に分散投資を行う投資信託です。
2024年5月19日時点での基準価格は2万5178円で、1年前の1万7730円から約42%のリターンを記録しています。
この驚異的なリターンの背景には、円安と世界株式市場の回復があります。
eMAXIS Slim S&P500
eMAXIS Slim S&P500は、アメリカの代表企業500社に投資を行う投資信託です。
2024年5月19日時点での基準価格は3万円で、1年前の2万円から約45%のリターンを記録しています。
アメリカの経済成長と円安の影響で、この投資信託も高いリターンを実現しています。
ニッセイNASDAQ100
ニッセイNASDAQ100は、アメリカのハイテク企業を中心に投資を行う投資信託です。
2024年5月19日時点での基準価格は1万7000円で、1年前の1万1000円から約58%のリターンを記録しています。
特に、テクノロジーセクターの強い成長がこの投資信託のリターンを押し上げています。
アイフルネクストファングプラス
アイフルネクストファングプラスは、アメリカの主要テクノロジー企業に集中投資を行う投資信託です。
2024年5月19日時点での基準価格は5万6000円で、1年前の3万2000円から約73%のリターンを記録しています。
この投資信託は、特にNVIDIAやAmazon、Googleなどのテクノロジー企業の株価上昇がリターンに寄与しています。
投資信託の選び方
投資信託を選ぶ際には、以下のポイントを考慮することが重要です:
- 分散投資
- 一つの国やセクターに集中投資するのではなく、複数の国やセクターに分散投資を行うことでリスクを分散します。
- eMAXIS Slim全世界株式(オルカン)は、全世界の主要企業に分散投資を行うため、リスク分散に優れています。
- コスト
- 投資信託の手数料や信託報酬は、長期的なリターンに大きく影響します。
- 低コストの投資信託を選ぶことで、コストを抑えながらリターンを最大化することができます。
- パフォーマンス
- 過去のパフォーマンスは、将来のリターンを予測する一つの指標となります。
- しかし、過去のパフォーマンスだけでなく、投資信託の運用方針やリスク管理も重要な要素です。
- 運用方針
- 投資信託の運用方針が自分の投資目的やリスク許容度に合っているか確認しましょう。
- 例えば、長期的な資産形成を目指すなら、低コストで分散投資を行うインデックスファンドが適しています。
投資信託の保有期間とリターンの関係
金融庁のデータによれば、投資信託の保有期間が長くなるほど元本割れのリスクは低くなります。
以下は、保有期間とリターンの関係を示したグラフです。
保有期間 | 元本割れのリスク | 平均リターン |
---|---|---|
5年 | 高 | 中 |
10年 | 中 | 高 |
20年 | 低 | 高 |
このグラフからもわかるように、長期的な保有がリスクを低減し、リターンを最大化するためには重要です。
特に、20年以上の保有期間では元本割れのリスクが極めて低くなり、安定したリターンを得ることができます。
投資の心得
最後に、投資の心得について触れておきましょう。投資は短期的な利益を追求するものではなく、長期的な視野で資産形成を目指すものです。以下のポイントを念頭に置いて、投資を続けていきましょう。
- 長期視点
- 短期的な市場の変動に惑わされず、長期的な視点で投資を続けることが重要です。
- 市場の一時的な下落は避けられませんが、長期的には成長する傾向があります。
- 分散投資
- リスクを分散するために、複数の資産クラスや地域に分散投資を行いましょう。
- 一つの資産クラスに集中することで、リスクが高まります。
- コスト管理
- 投資信託の手数料や信託報酬を確認し、低コストのファンドを選ぶことで、長期的なリターンを最大化することができます。
- リバランス
- 定期的に投資先を見直し、資産配分をリバランスすることで、リスクを管理しながらリターンを追求します。
- 感情に流されない
- 市場の変動に対して感情的にならず、冷静に投資を続けることが大切です。
- 感情に流されて売却や追加投資を行うと、長期的なリターンが損なわれる可能性があります。
まとめ
eMAXIS Slim全世界株式(オールカントリー)は、直近1年でプラス42%ものリターンを達成していますが、長期運用を前提とするならば、目先の利益に惑わされず、積み立てを続けることが重要です。為替リスクも考慮しつつ、分散投資を心がけ、長期的な資産形成を目指しましょう。
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