2024年から始まる新NISA。その中でも成長投資枠は、使い方次第で資産形成を大きく加速させる可能性を秘めています。
しかし、「具体的にどんな銘柄を選べばいいのか分からない」「投資初心者には難しそう」と感じている方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、NISA成長投資枠の基礎知識から、理想的な運用方法、そしておすすめの銘柄を20個厳選して分かりやすく解説していきます!
この記事を読めば、成長投資枠を活用して、投資の楽しみを味わいながら、資産を効率的に増やしていくための具体的なイメージが掴めるはずです。
ぜひ最後まで読んで、あなた自身の投資戦略に役立ててくださいね。
なぜ今、NISA成長投資枠が熱いのか?
2024年から始まる新NISAは、投資初心者から経験者まで、幅広い層にとって非常に魅力的な制度です。
特に、成長投資枠は年間240万円、最大1,200万円まで非課税で投資できるという点で、大きな注目を集めています。
従来のNISAと比較して、非課税投資枠が大幅に拡大されただけでなく、非課税保有期間が無期限になったことも大きなメリットと言えるでしょう。
つまり、長期的な視点で資産形成に取り組むことができるようになり、より大きなリターンを期待できるようになったのです。
新NISAの基礎知識をおさらいしよう!
新NISA制度を最大限に活用するためにも、まずは基本的な仕組みをしっかりと理解しておきましょう。
新NISAには、「つみたて投資枠」 と 「成長投資枠」 という2つの投資枠が用意されています。
注目すべきは、成長投資枠のみが個別株やETFに対応している点です。
つまり、成長投資枠では、より積極的にリターンを狙うことも、安定的な配当収入を目指すことも可能です。
もちろん、2つの投資枠は併用することも可能です。
例えば、つみたて投資枠では、毎月コツコツとインデックス投資信託に積立投資を行い、成長投資枠では、個別株やテーマ型投資信託に投資するなど、自身の投資スタイルやリスク許容度に合わせた使い方ができます。
【つまらないはもったいない!】成長投資枠の理想的な使い方とは?
長期的な積立投資が資産形成に有効であることは、多くのデータが示すとおりです。
しかし、「20年後に100万円が300万円になる」と言われても、モチベーションを維持するのは難しいと感じる方もいるかもしれません。
そこでおすすめしたいのが、「成長投資枠」を有効活用した、よりアクティブで、投資の楽しみを感じられる運用方法です。
具体的には、以下の3つのポイントを意識することで、投資へのモチベーションを高く保ちながら、着実に資産を増やしていくことが可能になります。
- 投資対象を明確にする
- 短期・中期・長期の投資期間を設定する
- ポートフォリオを定期的に見直す
1. 投資対象を明確にする
「日本株」「米国株」「個別株」「投資信託」「売却益狙い」「配当金狙い」など、投資対象を明確にすることで、より戦略的な投資が可能になります。
例えば、「アメリカの成長企業に投資して、大きなキャピタルゲインを狙いたい!」という場合は、アメリカの個別株や、NASDAQ100などの指数に連動する投資信託が選択肢として考えられます。
一方、「安定的な配当収入を得たい」という場合は、日本やアメリカの、高配当株や高配当株で構成された投資信託に投資するのが良いでしょう。
2. 短期・中期・長期の投資期間を設定する
投資期間を明確にすることで、それぞれの期間に合わせた投資戦略を立てることができます。
例えば、短期投資であれば、値動きの激しい銘柄に集中投資して、大きなリターンを狙うことも可能です。一方、長期投資であれば、分散投資を心掛け、リスクを抑えながら、安定的なリターンを目指していくのが良いでしょう。
3. ポートフォリオを定期的に見直す
投資環境は常に変化しています。そのため、一度決めた投資戦略も、定期的に見直す必要があります。
例えば、当初は成長が見込まれていた企業が、業績不振に陥る可能性もあります。また、世界情勢や経済状況の変化によって、特定の資産クラスが大きく値下がりする可能性も考えられます。
定期的にポートフォリオを見直すことで、リスクをコントロールし、最適な資産配分を維持していくことが重要です。
【国別×投資対象で徹底比較】NISA成長投資枠でおすすめの投資先は?
それでは、具体的にどのような投資先がおすすめなのでしょうか?
ここでは、投資対象を以下の8つのカテゴリーに分類し、それぞれの特徴を解説していきます。
日本株 | 米国株 | |
個別株(売却益狙い) | リアルタイムで市場の動きに対応しやすい日本語での情報が豊富 株主優待などのメリットがある | 高い成長性が期待できる 有名かつ優良企業が多い 為替リスクがある |
個別株(配当金狙い) | 安定的な配当収入を得やすい 日本経済の成長の恩恵を受けられる 株価の成長は限定的 | 配当利回りが高い銘柄が多い 為替リスクがある 情報収集が難しい場合もある |
投資信託(売却益狙い) | 少額から分散投資できる プロに運用を任せられる 信託報酬などのコストがかかる | 世界経済の成長を取り込める 為替リスクをヘッジできる商品もある 情報収集が難しい場合もある |
投資信託(配当金狙い) | 安定的な分配金収入を得やすい プロに運用を任せられる 分配金は元本払い戻しの可能性もある | 高い分配金利回りのファンドが多い 為替リスクがある 分配金は減配の可能性もある |
【日本の個別株と投資信託のメリット・デメリット】
項目 | メリット | デメリット |
日本株 | リアルタイムで市場の動きに対応できる</li><li>日本語での情報が豊富 株主優待などのメリットがある | 海外投資家の売買ウェイトが高い |
投資信託 | 少額から分散投資できる プロに運用を任せられる | 売却後の現金化に時間がかかる 運用コストが色々かかる |
【アメリカの個別株と投資信託のメリット・デメリット】
項目 | メリット | デメリット |
米国株 | 配当利回りが高い 高い成長性が期待できる 有名かつ優良企業が多い | 為替リスクがある 情報が少ない |
投資信託 | 少額から分散投資できる プロに運用を任せられる | 売却後の現金化に時間がかかる 運用コストが色々かかる |
【個別株と投資信託の違い】
項目 | メリット | デメリット |
個別株 | 大きな利益を狙いやすい 短期間で値上がりする銘柄選定の楽しさがある | 購入・売却タイミングが難しい 短期間で大きな損失を生む危険性もある |
投資信託 | 銘柄選定・購入・売却タイミングなどの運用は全てプロに丸投げできる 小額の100円から投資が可能 | 売却後の現金化に時間がかかる 運用コストが色々かかる |
【配当銘柄を選ぶ上での注意点】
配当金狙いの銘柄を選ぶ際には、以下の2点に注意が必要です。
- 米国株の配当金には、10%の税金がかかる
- 配当金や分配金の支払いは、複利効果を減少させる可能性がある
1. 米国株の配当金には、10%の税金がかかる
NISA口座では、通常、売却益や配当金にかかる税金は非課税となります。
しかし、米国株の配当金に関しては、NISA口座で購入した場合でも、10%の米国税が源泉徴収されます。
つまり、配当金を受け取る際に、自動的に10%の税金が差し引かれるということです。
一方、米国株の売却益に関しては、NISA口座で購入していれば、非課税となります。
2. 配当金や分配金の支払いは、複利効果を減少させる可能性がある
複利効果とは、運用で得られた利益を再投資することで、雪だるま式に資産が増えていく効果のことです。
しかし、配当金や分配金を受け取ると、その分だけ再投資に回せる資金が減ってしまうため、複利効果が減少してしまう可能性があります。
もちろん、配当金や分配金を受け取ることには、以下のようなメリットもあります。
- 安定的な収入源となる
- 投資元本を減らさずに利益を享受できる
- 企業の業績向上を促すインセンティブとなる
【具体例で解説】NISA成長投資枠のおすすめ銘柄20選
それでは、いよいよ具体的な銘柄を見ていきましょう。
今回は、以下の8つのカテゴリーに分けて、それぞれのおすすめ銘柄をご紹介していきます。
- 日本株(売却益狙い):2銘柄
- 日本株(配当金狙い):3銘柄
- 日本投資信託(売却益狙い):1銘柄
- 日本投資信託(配当金狙い):1銘柄
- 米国株(売却益狙い):3銘柄
- 米国株(配当金狙い):2銘柄
- 米国投資信託(売却益狙い):5銘柄
- 米国投資信託(配当金狙い):3銘柄
【日本株(売却益狙い)】
1. パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(7532)
- ディスカウントストア「ドン・キホーテ」などを運営
- 1989年のドン・キホーテ1号店出店から34期連続で増収増益
- インバウンド需要の拡大でも業績拡大
- 株価は右肩上がりが続いている
2. MonotaRO(3064)
- 工場用間接資材のインターネット通販「MonotaRO」を運営
- 2023年12月期で14期連続で過去最高益を更新、22期連続で増収を達成
- 業績は非常に好調で右肩上がり
- 株価は上下を繰り返しながらも、上昇傾向
【日本株(配当金狙い)】
1. JT(日本たばこ産業)(2914)
- タバコメーカーとして、130カ国以上の国と地域で販売
- 株価は右肩上がり
- 高配当を継続中
- ただし、連続増配は2期となっており、業績次第では減配の可能性もある
2. KDDI(9433)
- 大手電気通信事業会社
- 国内2位の個人向け通信「au」を始め、「UQ mobile」「povo」などを展開
- 株価は上下を繰り返しながらも、上昇傾向
- 安定配当を継続中
3. 三菱HCキャピタル(8593)
- 大手総合リース会社。三菱商事系列
- 国内外法人ビジネスによる機械器具・備品のリース・割賦販売・貸付が主力
- 9期連続で増配を継続中
- 株価は右肩上がりで、業績も好調
【日本投資信託(売却益狙い)】
1. スパークス・新・国際優良日本株ファンド(愛称:厳選投資)
- 国内上場株の中から、高い技術力やブランド力があり、今後グローバルでの活躍が期待できる日本企業に投資
- ベンチマークは設けずに、20銘柄程度に厳選投資を行い、原則長期保有を基本
- 直近1年のリターンは +36.2%、直近3年のリターンは +10.3%、直近5年のリターンは +14.6%と、好調な成績
【日本投資信託(配当金狙い)】
1. 日経平均配当利回り株ファンド
- 日経平均株価採用銘柄の中から、予想配当利回りの上位30銘柄に投資
- 組入比率は、流動性を勘案して銘柄ごとに決定
- 原則として6月・12月にリバランスを実施
- 直近1年のリターンは +15.84%、直近3年のリターンは +26.54%と、好調な成績
【米国株(売却益狙い)】
1. NVIDIA(NVDA)
- AIやゲーミングPC向けGPUの大手開発企業
- 株価は右肩上がりで、業績も好調
- 2024年を代表する銘柄の一つ
2. CrowdStrike Holdings, Inc.(CRWD)
- クラウドベースのサイバーセキュリティ企業
- エンドポイント、クラウドワークロード、アイデンティティ、セキュリティ運用などの次世代セキュリティ分野に特化
- 最近、FANG+構成銘柄に採用
- 業績は好調だが、株価は2024年7月頃に大きく下落して以降は回復傾向
3. ServiceNow, Inc.(NOW)
- 様々なビジネス工程を構築し自動化するための製品を備えたクラウドアプリケーションを提供
- 企業向けのIT機能の開発に特化
- 最近、FANG+構成銘柄に採用
- 株価と業績は右肩上がりで、非常に好調
【米国株(配当金狙い)】
1. Verizon Communications Inc.(VZ)
- アメリカ最大の無線通信会社
- ポストペイド契約者数が9,300万人、プリペイド契約者数が2,100万人
- 連続増配を続けており、配当利回りも高い
- 米国株の配当利回りランキングでは、常に上位にランクインする銘柄
2. Altria Group, Inc.(MO)
- アメリカのタバコ及び無煙タバコで業界首位
- 巻きタバコ、葉巻では第2位
- 「マルボロ」ブランドは、アメリカを代表する巻きタバコブランド
- 配当利回りが非常に高い
【米国投資信託(売却益狙い)】
1. eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
- S&P500指数に連動する、低コストなインデックスファンド
- アメリカの大型株500銘柄に投資することで、アメリカの経済成長の恩恵を受けられる
- 長期投資に最適
2. iFreeNEXT FANG+インデックス
- アメリカのグロース株の中でも、特に成長性の高い10銘柄に投資
- 銘柄数の少なさゆえに、ハイリスク・ハイリターンな傾向が強い
- 短期から中期投資に最適
3. トランプS&P500トップ10インデックス
- S&P500指数の構成銘柄の時価総額上位10社の株式で構成される株価指数に連動
- 情報技術だけでなく、他のセクターにも分散投資
- 比較的リスクを抑えながら、アメリカの成長企業に投資できる
4. 野村世界業種別投資シリーズ 世界反動体株投資
- 世界の半導体関連企業に投資
- どの期間のリターンを切り取っても、トップクラスの実績
- 半導体市場は今後も成長が見込まれるため、長期投資に最適
5. 一歩先行くUS-TEC TOP20インデックス
- NASDAQに上場するテクノロジー関連銘柄のうち、アメリカを代表する大型の20銘柄に投資
- グローバルX NASDAQ100 Top 20 Covered Call ETF(QYLD)を通じて投資
- 直近6ヶ月のリターンは+32.4%と、好調な成績
6. <span style="color:red;">【2023年追加】</span> SBI・V・S&P500インデックス・ファンド
- S&P500のうち、時価総額上位7銘柄に投資する、通称「Magnificent 7」と呼ばれる銘柄群に集中投資
- 2023年に入ってから株価が急騰しており、今後の更なる成長に期待
- 直近6ヶ月のリターンは+29.06%と、驚異的な成績
【米国投資信託(配当金狙い)】
1. 楽天・高配当株式・米国・ファンド(毎月分配型)
- アメリカで人気のある高配当株ファンドである「SCHD」に投資
- 13年の運用実績があり、株価成長は3.3倍、直近の分配金利回りは3.92%
- 11年連続で分配金を増配中
2. SBI・V・米国高配当株式インデックス・ファンド(年4回決算型)
- 高配当で人気のETFである「VYM」に投資
- 5年間のトータルリターンは+7.75%、直近の分配金利回りは3.14%
- 比較的リスクを抑えながら、高配当を実現
3. SBI・全世界高配当株式ファンド(年4回決算型)
- アメリカだけでなく、世界中の高配当銘柄に投資
- 投資信託の中でも最低水準の信託報酬0.55%で、世界の高配当銘柄に投資できる
- 予想分配金利回り4.0%と高水準
【7割:3割を目安に】NISA枠を最大限に活かす投資戦略
NISA成長投資枠を最大限に活用するためには、投資額の配分を工夫することも重要です。
明確な決まりはありませんが、1つの目安として、「つみたて投資枠:7割、成長投資枠:3割」 のペース配分で資金を割り振るのがおすすめです。
【具体例】月10万円を15年間積み立てた場合
- つみたて投資枠(7万円/月): 低コストのインデックス投資信託に積立投資
- 例:eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
- 成長投資枠(3万円/月): 個別株やアクティブファンドなど、よりリターンを狙える商品に投資
- 例:上記の「おすすめ銘柄20選」の中から、自身の投資スタイルに合った銘柄を選択
この方法であれば、リスクを抑えながら、安定的なリターンと、大きなリターンを狙えるチャンスの両方を手に入れることができます。
【さらにリターンを狙いたい場合は?】
より積極的にリターンを狙いたい場合は、成長投資枠で個別株に一括投資する方法も考えられます。
例えば、JTに15年間、毎年36万円ずつ一括投資した場合、以下のような結果になります。
- 投資元本: 540万円(36万円/年 × 15年)
- 配当金総額: 約220万円(年間平均配当利回り 4.0%で計算)
- 株価上昇によるキャピタルゲイン: 約277万円(2010年から2024年までのJTの株価上昇率を参考に計算)
- 合計: 約1,037万円
もちろん、株価は常に変動するため、必ずしもこのような結果になるとは限りません。
しかし、成長投資枠を有効活用することで、積立投資だけでは得られないような、大きなリターンを狙える可能性があることは理解しておきましょう。
まとめ|NISA成長投資枠で未来を切り開こう!
今回は、NISA成長投資枠の基礎知識から、具体的な活用方法、そしておすすめ銘柄まで、幅広く解説してきました。
ポイントを改めておさらいしましょう。
- 新NISAの成長投資枠は、年間240万円まで非課税で投資できる魅力的な制度!
- 投資対象・期間・リスク許容度を明確に設定し、定期的なポートフォリオ見直しを!
- 日本株・米国株、個別株・投資信託など、様々な選択肢から、自分に合った銘柄を選ぼう!
- 配当銘柄は税金や複利効果に注意!
- つみたて投資枠7割、成長投資枠3割を目安に、リスクとリターンのバランスを!
NISA成長投資枠は、使い方次第で、あなたの資産形成を大きく前進させる強力なツールとなります。
ぜひこの記事を参考に、あなた自身の投資プランを立て、将来の豊かな生活に向けて、第一歩を踏み出してください。