「2024年から始まる新NISA、早く始めないと損をするって本当?」
「でも、投資は初めてだし、何から始めればいいか分からない…」
そんな不安を抱えている50代60代の方も多いのではないでしょうか?
確かに、新NISAは少額から始められるなど、投資初心者にとって魅力的な制度です。
しかし、 50代60代にとって、焦って新NISAを始めることは大きなリスクを伴う可能性も 秘めています。
そこで今回は、50代60代が新NISAを始める前に必ず知っておくべき注意点や準備 について、元銀行員FPの私が分かりやすく解説していきます。
この記事を読めば、新NISAを始めるべきかどうか、そして始めるならいつから、どのように始めるべきか が明確になるはずです。
ぜひ最後まで読んで、後悔のない投資の第一歩を踏み出しましょう。
50代60代が新NISAで失敗しやすい理由とは?
老後資金の準備など、将来に向けて投資を検討し始める方も多い50代60代。
しかし、 50代60代は20代30代に比べて、投資で失敗した時のリスクが大きい ことを理解しておく必要があります。
なぜなら、投資資金を回収したり、損失を取り戻したりするための時間的な余裕が少ない からです。
20代30代であれば、仮に投資で失敗してしまっても、時間をかけて働いて収入を得ることで損失を取り戻せる可能性があります。
しかし、50代60代の場合、定年退職後や収入が減少する時期が近づいているため、一度大きな損失を出してしまうと、生活に大きな影響が出てしまう可能性がある のです。
さらに、金融機関の営業トークに乗せられてしまうリスク もあります。
新NISAの開始によって、銀行や証券会社は顧客獲得のために積極的に営業活動を行っています。「早く始めないと損ですよ」「お得な制度なので、今すぐ始めましょう」といった言葉に惑わされて、十分な知識がないまま投資を始めてしまうケースも少なくありません。
もちろん、銀行や証券会社の担当者全員がお客様を騙そうとしているわけではありません。しかし、中にはお客様の利益よりも、自社の利益を優先して商品を勧めてくる担当者もいることを知っておく必要があります。
50代60代こそ「2025年開始」が最強の理由
では、50代60代は新NISAを始めるべきではないのでしょうか?
いいえ、そんなことはありません。
50代60代でも、正しい知識と準備があれば、新NISAを有効活用して資産形成を行うことは十分に可能 です。
むしろ、老後資金の準備を考えると、早めの対策が重要になります。
そこでおすすめなのが、 「2025年開始」を目標に、2024年中は徹底的に準備期間に充てる という方法です。
なぜ2025年開始が良いのでしょうか?
それは、 2025年には日本の社会構造が大きく変化し、私たちの生活にも大きな影響を与える可能性が高い からです。
2025年には、戦後の第一次ベビーブームに生まれた「団塊世代」が後期高齢者(75歳以上)になります。
これにより、医療費や介護費などの社会保障費が膨らみ、増税や年金減額、物価上昇など、私たちの生活に直接影響する可能性があります。
このような状況下で、 焦って投資を始めてしまうと、冷静な判断ができず、大きな損失を被ってしまうリスクが高まります。
だからこそ、 2024年中は「生活防衛費」をしっかり貯めながら、投資に関する情報収集や勉強、投資計画の作成など、準備に集中 することをおすすめします。
具体的には、以下の3つのポイントを意識して準備を進めましょう。
1. 生活防衛費を確保する
まず、 生活防衛費として、最低でも生活費6ヶ月~1年分の資金を確保 しておきましょう。
生活防衛費とは、病気や失業など、万が一の事態が発生した場合でも、生活に困らないようにするための資金のことです。
投資はあくまで余剰資金で行うべきであり、生活防衛費を投資に回してしまうのは非常に危険です。
2. 投資について学ぶ
次に、 投資に関する基礎知識を身につけましょう。
投資にはリスクがつきものですが、リスクを理解した上で適切な投資を行うことで、リスクを抑えながらリターンを追求することも可能です。
具体的には、以下の3つのポイントを押さえておきましょう。
- 投資の種類と特徴: 投資信託、株式、債券、不動産など、様々な投資商品があります。それぞれのリスクとリターン、そして自分に合っている投資先は何かを理解することが重要です。
- リスク管理: 投資にはリスクがつきものです。リスク許容度(どれくらいのリスクを取れるのか)を把握し、許容範囲を超えたリスクを取らないように注意しましょう。
- 分散投資: 複数の投資先に分散して投資することで、リスクを軽減することができます。
3. 自分にあった投資計画を立てる
最後に、 「いつまでに」「いくらを」「何のために」投資するのか、具体的な投資計画を立てましょう。
目標金額や投資期間を設定することで、モチベーションを維持しやすくなるだけでなく、計画的に投資を進めることができます。
50代60代が新NISAを活用するメリット
ここまで、50代60代は焦らずに新NISAの準備を進めるべき理由について解説してきました。
では、50代60代にとって、新NISAにはどのようなメリットがあるのでしょうか?
1. 非課税で投資できる
新NISAの最大のメリットは、 投資で得られた利益が非課税になる 点です。
通常、投資で得た利益には約20%の税金がかかりますが、新NISAを利用すれば、その税金がかかりません。
2. 長期投資に最適
新NISAは、 長期的な資産形成に適した制度 と言えます。
なぜなら、非課税期間が最大で20年間と長く、時間をかけてじっくりと資産を育てることができるからです。
3. 少額から始められる
新NISAは、 少額から投資を始められる 点もメリットです。
毎月数千円程度から投資できるため、投資初心者の方でも始めやすいと言えるでしょう。
【金融機関別】50代60代におすすめの新NISA口座
新NISAは、銀行や証券会社など、様々な金融機関で開設することができます。
それぞれの金融機関によって、取り扱っている商品やサービス、手数料などが異なるため、 自分に合った金融機関を選ぶことが重要 です。
以下では、50代60代におすすめの金融機関を3つのタイプに分けてご紹介します。
1. 投資初心者の方には「ネット証券」
投資初心者の方には、 ネット証券 で口座開設することをおすすめします。
ネット証券は、対面型の証券会社と比べて、 手数料が安く、商品ラインナップも豊富 です。
また、 初心者向けのセミナーや情報提供 を行っているネット証券も多く、投資初心者の方でも安心して利用することができます。
\ 初心者向け!おすすめネット証券3選 /
証券会社名 | 特徴 |
楽天証券 | ポイント投資ができる!楽天経済圏ユーザーなら◎ |
SBI証券 | ネット証券最大手!取扱商品数No.1 |
auカブコム証券 | アプリの使いやすさ◎!Pontaポイントも貯まる |
2. 対面相談を希望するなら「銀行」
「投資について相談しながら始めたい」「対面で説明を受けたい」 という方は、 銀行 でNISA口座を開設するのも良いでしょう。
銀行は、 担当者と顔を合わせて相談できる ため、安心感があります。
ただし、ネット証券と比べると手数料が高くなる傾向がある点は注意が必要です。
\ 相談しやすい!おすすめ銀行3選 /
銀行名 | 特徴 |
三菱UFJ銀行 | 総合的なサービスが充実 |
三井住友銀行 | SMBCグループの総合力を活かしたサービス |
みずほ銀行 | 国内最大級の顧客基盤 |
3. 特定の金融機関にこだわりたいなら「地方銀行・信用金庫」
普段から利用している 地方銀行や信用金庫 があれば、そこでNISA口座を開設するのも一つの方法です。
ただし、 取り扱っている商品やサービスが限られている場合がある ため、事前に確認しておきましょう。
【森永卓郎氏も言及】50代60代は「iDeCo」も検討すべき?
経済アナリストの森永卓郎氏は、 老後資金を準備するなら「iDeCo一択」 と発言し、注目を集めました。
iDeCo(個人型確定拠出年金)とは、 自分で毎月掛金を積み立てて運用し、老後に年金または一時金として受け取れる制度 です。
NISAと同様に、 運用益が非課税になる というメリットがあります。
NISAとiDeCoのどちらを選ぶべきか、迷ってしまう方もいるかもしれません。
しかし、 NISAとiDeCoは、それぞれにメリット・デメリットがあり、どちらが良いかは一概には言えません。
\ NISAとiDeCoの比較 /
項目 | NISA | iDeCo |
投資対象 | 上場株式、投資信託など | 投資信託、定期預金など |
非課税期間 | 最大20年間 | 60歳まで |
資金の引き出し | いつでも可能 | 原則60歳まで不可 |
掛金の上限 | 年間120万円(つみたて投資枠) | 年間12万円~81万6000円(職業によって異なる) |
【NISAが向いている人】
- 短期~中期的に投資したい人
- 必要な時に資金を引き出したい人
- 大きなリターンを狙いたい人
【iDeCoが向いている人】
- 長期的な資産形成をしたい人
- 税金控除のメリットを受けたい人
- 老後資金を確実に準備したい人
このように、 NISAとiDeCoは、投資目的やライフプランによって、どちらが適しているかが異なります。
そのため、 安易にどちらか一方を選ぶのではなく、両方のメリット・デメリットを理解した上で、自分に合った方を選ぶ ようにしましょう。
まとめ|50代60代の新NISAは焦らず準備が重要!
今回は、50代60代の新NISAの準備について解説しました。
重要なポイントを改めてまとめます。
- 50代60代は、投資で失敗した時のリスクが大きいことを理解しておく
- 2025年開始を目標に、2024年中は徹底的に準備期間に充てる
- 生活防衛費を確保し、投資について学び、自分にあった投資計画を立てる
- 投資初心者の方にはネット証券、対面相談を希望するなら銀行がおすすめ
- 老後資金を準備するなら、iDeCoも検討してみましょう
新NISAは、正しく活用すれば、50代60代の資産形成を力強く後押ししてくれる制度です。
しかし、 焦って行動すると思わぬ損失を被ってしまう可能性もある ことを忘れてはなりません。
まずは、2024年中にしっかりと準備を行い、2025年から余裕を持って新NISAをスタートさせましょう!