2024年からスタートした新NISA制度が注目を集めています。
資産形成において重要なこの制度を最大限に活用するためのポイントを20個にまとめました。
初心者から既に利用している方まで、ぜひ参考にしてください。
新NISAの概要
新NISAは、2024年からスタートする非課税の投資制度です。
これまでのNISA(一般NISA、つみたてNISA、ジュニアNISA)に比べて、非課税期間の無期限化や年間投資枠の大幅拡大など、多くの利点があります。
長期的な資産形成を目指すためには、この新しい制度をしっかりと理解し、活用することが重要です。
新NISAの特徴
新NISAの最大の特徴は、非課税期間が無期限であることです。
従来のNISAでは非課税期間が20年間でしたが、新NISAでは無期限となり、長期的な資産形成が可能になりました。
また、投資可能期間も無期限です。
これは、これまでのつみたてNISAが2042年、一般NISAが2028年までだったのに対し、新NISAでは無期限となります。
さらに、新NISAではつみたて投資枠と成長投資枠の併用が可能です。
従来のNISAでは、つみたてNISAの年間40万円か一般NISAの年間120万円かを選択する必要がありましたが、新NISAではつみたて投資枠と成長投資枠の両方を活用でき、年間最大360万円まで投資することができます。
また、投資可能枠の再利用も可能です。
これまでのNISAでは、投資枠を一度使うと再利用できませんでしたが、新NISAでは翌年以降に再利用が可能となります。
特徴 | 従来のNISA | 新NISA |
---|---|---|
非課税期間 | 20年間 | 無期限 |
投資可能期間 | つみたてNISA:2042年まで<br>一般NISA:2028年まで | 無期限 |
投資枠 | つみたてNISA:年間40万円<br>一般NISA:年間120万円 | 年間最大360万円 |
併用 | つみたてNISAと一般NISAのどちらかを選択 | つみたて投資枠と成長投資枠の併用が可能 |
再利用 | できない | 可能 |
新NISAを始めるための20のステップ
1. 新NISAの特徴を理解する
新NISAを始めるためには、まずその特徴をしっかり理解することが重要です。
前述したように、非課税期間が無期限であり、投資可能枠の再利用が可能です。また、つみたて投資枠と成長投資枠の併用ができる点も大きな特徴です。
2. ネット証券で新NISA口座を開設する
ネット証券の利用は手数料の低さや便利なサービスが魅力です。
特にSBI証券は、クレカ積立でポイントがもらえるなどお得なサービスが充実しています。口座開設はオンラインで簡単に行えます。
3. NISA口座を移管する場合のスケジュールを理解する
NISA口座の移管手続きは年に一度しかできないため、タイミングが重要です。
10月から変更手続きを行い、翌年1月から新しい証券会社での運用が可能になります。
計画的にスケジュールを立てましょう。
4. NISA口座を移管する場合の変更手続きのプロセスを理解する
証券総合口座の開設、金融機関への申請、書類の郵送という三つのステップで簡単に手続きが完了します。
必要な書類を準備し、早めに手続きを開始しましょう。
5. ネット証券への入金方法を理解する
即時入金、住信SBIネット銀行との連携、銀行引き落としサービスなど、複数の方法があります。
特に即時入金は手数料が無料で便利です。自分に合った入金方法を選びましょう。
6. クレカ積立ができるクレジットカードを発行する
ポイント還元率が高いクレジットカードを活用すると、よりお得に投資ができます。
SBI証券では、三井住友カードゴールドナンバーレスが1%の還元率を誇ります。
カード発行手続きを早めに行いましょう。
7. いくら投資をするか、投資のゴールから逆算する
毎月の積立額と運用期間をシミュレーションし、目標を設定します。
例えば、毎月1万円を30年間積み立てると、年率5%の成長で815万円になります。
目標を明確にし、それに向けた計画を立てましょう。
毎月の積立額 | 10年間後の資産額(年率5%) | 20年間後の資産額(年率5%) | 30年間後の資産額(年率5%) |
---|---|---|---|
1万円 | 154万円 | 405万円 | 815万円 |
3万円 | 462万円 | 1216万円 | 2446万円 |
5万円 | 769万円 | 2027万円 | 4076万円 |
8. 特定口座で投資した分を売却して、新NISAの元手とするか検討する
特定口座での利益には課税されますが、新NISA口座では非課税です。
特定口座の資産を新NISA口座に移管することで、より効率的な資産運用が可能です。
シミュレーションを行い、どちらが有利か検討しましょう。
事例:特定口座から新NISA口座への移管
- 購入時の価格:100万円
- 売却時の価格:150万円
- 利益:50万円
- 税金:約10万円(20%)
- 新NISA用の元手:140万円
この140万円を新NISA口座で運用し、仮に100%増えた場合、280万円になります。
一方、特定口座で同じ運用を続けると、売却時の価格は300万円となりますが、税金40万円を引くと260万円です。
この差は20万円となり、新NISA口座への移管が有利です。
9. iDeCoと新NISAどちらを優先するかを決める
iDeCoは節税効果が高く、老後資金に適していますが、引き出しが60歳までできません。
一方、新NISAはいつでも引き出しが可能で、投資商品の選択肢も豊富です。
それぞれのメリットを比較し、自分に合った選択をしましょう。
比較項目 | 新NISA | iDeCo |
---|---|---|
節税効果 | なし | 所得控除あり |
引き出し可能時期 | いつでも可能 | 60歳まで不可 |
投資商品ラインナップ | 豊富(個別株、外国株、投信、ETF) | 限定(元本保証商品が多い) |
口座管理手数料 | なし | あり |
10. 投資する銘柄を決める
低コストのインデックスファンドを選ぶことが基本です。
例えば、SBI証券ではeMAXIS Slimシリーズが人気です。
投資先を慎重に選び、長期的な成長を目指しましょう。
銘柄 | 信託報酬(%) |
---|---|
eMAXIS Slim 全世界株式 | 0.1144 |
eMAXIS Slim 米国株式 | 0.0968 |
eMAXIS Slim 新興国株式 | 0.1870 |
11. 成長投資枠とつみたて投資枠の優先順位を決める
年間360万円の投資枠を有効に活用するために、どちらの枠を優先するか検討します。
つみたて投資枠は月額積立、成長投資枠はスポット購入が可能です。
投資目的やライフスタイルに合わせて決定しましょう。
比較項目 | 成長投資枠 | つみたて投資枠 |
---|---|---|
年間投資上限額 | 240万円 | 120万円 |
月間投資上限額 | なし | 10万円 |
生涯非課税限度額 | 1200万円 | 1800万円 |
買付方法 | スポット購入、積立購入 | 積立購入のみ |
投資対象商品のラインナップ | 国内株式、外国株式、投信、ETF | 投信のみ |
12. 家族単位で新NISA枠の使い方を検討する
贈与税の非課税枠を利用して、家族全体で資産を分散し、非課税枠を最大限活用します。
家族全員で計画を立て、資産を効率的に運用しましょう。
事例:家族での新NISA活用
- 夫:1800万円
- 妻:1800万円
- 子供(18歳以上):1800万円
家族全体で5400万円の非課税枠を活用できます。
各自の資産を分散し、全体の投資効率を高めることができます。
13. ETFや投資信託で配当金をもらう場合の税金を理解する
外国株の配当金には10%の外国税がかかりますが、NISA口座での売却益には課税されません。
税金について理解し、適切な投資を行いましょう。
項目 | 国内株 | 外国株 |
---|---|---|
配当金の課税率 | 20.315% | 28.2%(外国税含む) |
NISA口座の売却益 | 課税なし | 課税なし |
14. 配当金に課税されないための設定を完了させる
配当金を非課税で受け取るためには、株式数比例配分方式を選択します。
設定を確認し、非課税での受け取りを確実にしましょう。
設定方法(SBI証券の場合)
- SBI証券にログイン
- メニューをタップ
- 「お客様情報」をタップ
- 「口座管理」から「取引関連口座情報」を選択
- 「配当金受け取りサービス」を選択し、「株式数比例配分方式」を設定
15. 実際に老後いくらもらえるか、取り崩しのシミュレーションを行う
取り崩しシミュレーションを行い、老後資金の計画を立てます。
5%の運用利回りを仮定し、毎月の取り崩し額を計算します。
老後の生活設計を明確にし、安心して資産運用を続けましょう。
取り崩し額/年 | 1000万円の資産寿命(年) | 2000万円の資産寿命(年) | 3000万円の資産寿命(年) |
---|---|---|---|
5万円/月 | 34年 | 無限(資産が減らない) | 無限(資産が減らない) |
10万円/月 | 11年 | 34年 | 無限(資産が減らない) |
20万円/月 | 5年 | 11年 | 34年 |
16. 実際に老後に取り崩す際の便利な取り崩し方法を理解する
定期売却サービスを利用すると、毎月一定額を自動で取り崩すことができます。
証券会社が提供するサービスを活用し、手間を省いて効率的に資産を管理しましょう。
SBI証券の定期売却サービス
- 定額売却:毎月一定額を売却
- 定率売却:資産の一定割合を売却(例:4%ルール)
17. 相場から逃げないことが超重要であると理解し、投資を継続する
市場の動きに惑わされず、長期的に投資を続けることが重要です。
市場のベストなタイミングを逃さないためには、投資を継続することが大切です。継続的な投資が成功の鍵となります。
事例:市場のベストなタイミングを逃すリスク
- 1928年に1ドル投資した場合、2000年末には1600ドルに
- しかし、ベストな5日間を逃すと利益は半減
18. 売買は繰り返さない、ほったらかし投資を目指そう
頻繁な売買は避け、長期的に保有することで、投資効率を高めます。
市場の上下動に一喜一憂せず、安定的な運用を心がけましょう。
事例:ほったらかし投資の効果
- S&P500の過去30年のリターンは10.8%
- 短期の市場変動に惑わされず、長期的に保有することで、高いリターンが期待できる
19. できる範囲で早く積立を開始し、投資期間をできるだけ長くする
早くから投資を始めることで、複利の効果を最大限に活用できます。
時間を味方につけることで、資産を効率的に増やすことができます。無理のない範囲で、早めに積立を開始しましょう。
事例:みかとコウキの逸話
- みか:18歳から26歳まで毎年50万円を投資、8年間で400万円
- コウキ:26歳から65歳まで毎年50万円を投資、40年間で2000万円
- 65歳時点の資産:みかは2億5878万円、コウキは2億2129万円
- 早く始めることで、少ない元手でも大きな成果を得られる
20. 将来的には制度変更がありうると理解する
NISA制度は過去にも変更がありました。将来的な制度変更を見越して、早めに枠を埋めることが重要です。
制度変更に備え、柔軟な計画を立てましょう。
事例:NISAの制度変更の歴史
- つみたてNISA(2018年開始):年間40万円の非課税枠
- 一般NISA(2014年開始):年間120万円の非課税枠
- ジュニアNISA(2016年開始、2023年終了):年間80万円の非課税枠
新NISAを活用した具体的な投資戦略
インデックスファンドの活用
インデックスファンドは、市場全体に連動するため、分散投資の効果が高く、長期的な資産形成に適しています。
特に低コストのインデックスファンドを選ぶことで、運用コストを抑えながら資産を増やすことができます。
ETFの活用
ETF(上場投資信託)は、株式のように取引できる投資信託です。
手数料が安く、分散投資が容易に行えるため、新NISAの成長投資枠での活用に適しています。
特に外国株やセクターごとのETFを活用することで、投資の幅を広げることができます。
配当再投資戦略
配当金を再投資することで、複利効果を最大限に活用できます。
新NISAでは配当金が非課税となるため、配当再投資戦略を実行するのに非常に適しています。
配当金を受け取るたびに再投資を行い、資産を効率的に増やしましょう。
バリュー株とグロース株の組み合わせ
バリュー株は配当利回りが高く、安定した収益を狙いやすい一方、グロース株は成長性が高く、キャピタルゲインを狙いやすいです。
新NISAの成長投資枠では、この2種類の株をバランスよく組み合わせることで、リスクとリターンのバランスを取った投資が可能です。
リスク管理の徹底
投資にリスクはつきものです。
リスクを管理するためには、分散投資が基本です。
国内外の株式、債券、不動産など、複数の資産に分散投資することで、リスクを分散し、安定した資産形成を目指しましょう。
また、定期的にポートフォリオを見直し、必要に応じてリバランスを行うことも重要です。
まとめ
新NISAは、2024年からスタートする資産形成のための強力なツールです。
非課税期間の無期限化、投資可能期間の無期限化、投資枠の大幅拡大など、多くのメリットがあります。
この記事で紹介した20のステップを参考にして、新NISAを最大限に活用し、効率的な資産形成を実現してください。
長期的な視野を持ち、リスクを管理しながら計画的に投資を続けることで、将来の安心を手に入れることができます。新NISAを活用し、資産形成を始めましょう。
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