「会社の利益は出ているけど、税金が高い…」「役員報酬を上げたり生命保険を活用したりしたけど、まだ節税したい…」
そんな悩みをお持ちの経営者の方へ。
今回は、 企業型確定拠出年金「よんまるいち」 を活用した効果的な節税方法について、税理士がわかりやすく解説します。
「よんまるいち」は、節税効果だけでなく、従業員満足度向上や退職金準備にも繋がる、まさに一石三鳥の制度 です。
本記事では、 メリット・デメリット、導入事例、よくある質問 まで網羅していますので、ぜひ最後まで読んで「よんまるいち」導入を検討してみてください。
企業型確定拠出年金「よんまるいち」とは?
企業型確定拠出年金「よんまるいち」とは、会社が従業員の退職金や老後資金を積み立てる年金制度の一つです。
従来の確定給付型年金と異なり、 運用成果によって将来受け取る金額が変わることが特徴 です。
従業員自身が自分の年金資産を運用するため、投資の知識や経験を積む良い機会にもなります。
企業型確定拠出年金「よんまるいち」導入のメリット
「よんまるいち」を導入するメリットは、大きく分けて以下の3つです。
- 企業側のメリット
- 法人税・住民税・事業税の節税:掛金は全額損金算入が可能
- 社会保険料の負担軽減:掛金は社会保険料の計算対象外
- 従業員満足度向上:福利厚生の一環として従業員のモチベーションアップに繋がる
- 人材の確保・定着:魅力的な福利厚生制度として人材獲得を促進
- 従業員側のメリット
- 所得税・住民税の節税:掛金は全額所得控除の対象
- 社会保険料の負担軽減:掛金は社会保険料の計算対象外
- 運用益が非課税:運用で得られた利益は非課税
- 老後資金の準備:年金受給開始まで積立額が運用され、老後資金を効率的に準備できる
- その他メリット
- 中小企業退職金共済制度との併用可能:より手厚い退職金制度を構築可能
- 事業承継対策:後継者への資産承継の手段としても有効
このように、「よんまるいち」は企業と従業員の双方にとってメリットの多い制度と言えるでしょう。
企業型確定拠出年金「よんまるいち」導入のデメリット
メリットの多い「よんまるいち」ですが、デメリットも存在します。
- コストがかかる
- 導入費用・運営費用:制度導入時のコンサルティング費用や、毎年の運営管理費用が発生
- 口座管理手数料:加入者一人当たり、毎月数百円の口座管理手数料が発生
- 原則として途中解約・引き出しができない
- 資金拘束性:原則として60歳まで引き出すことができない
- 例外的な引き出し事由:死亡、障害状態、海外移住などの場合に限り、引き出しが可能
- 運用リスクがある
- 元本割れリスク:投資信託など価格変動のある商品で運用した場合、元本割れする可能性がある
- 運用責任:運用商品は従業員自身が選択するため、運用状況によっては想定よりも受取額が少なくなる可能性もある
- 社会保険料の軽減効果が限定的
- 給与所得者向け:社会保険料の負担は軽減されるものの、将来受け取る年金額が減る可能性もある
これらのデメリットを踏まえた上で、「よんまるいち」導入を検討する必要があります。
企業型確定拠出年金「よんまるいち」導入の条件
「よんまるいち」は、以下の条件を満たす企業であれば導入可能です。
- 法人または個人事業主であること
- 従業員が1人以上いること(役員のみでも可)
- 過去に企業型確定拠出年金を廃止してから1年以上経過していること
企業型確定拠出年金「よんまるいち」導入の流れ
「よんまるいち」を導入する際の大まかな流れは以下の通りです。
- 導入の検討・決定:経営方針や従業員のニーズを踏まえ、導入を検討
- 制度設計・運営管理機関の選定:制度の内容(掛金、運用商品など)を決定し、金融機関などの運営管理機関を選定
- 規約の作成・届出:確定拠出年金規約を作成し、所轄の労働基準監督署に届出
- 従業員への説明・加入手続き:従業員に制度内容を説明し、加入手続きを実施
- 掛金の拠出:毎月、従業員ごとに決定した掛金を拠出
- 運用商品の選択:従業員が、用意された運用商品の中から自身のリスク許容度や運用方針に合ったものを選択
- 年金または一時金の受給:従業員が60歳に達したら、年金または一時金のいずれかを選択して受給
企業型確定拠出年金「よんまるいち」導入事例
事例1:従業員満足度向上と人材確保に成功したIT企業
従業員数100名規模のIT企業では、優秀な人材の確保と従業員満足度向上を目的に「よんまるいち」を導入。
従業員一人ひとりのライフプランに合わせた資産形成を支援することで、従業員のモチベーション向上と定着率向上に繋げることができました。
また、福利厚生制度の充実をアピールすることで、優秀な人材の獲得にも成功しています。
事例2:事業承継対策として活用した中小企業
後継者への円滑な事業承継を検討していた中小企業では、「よんまるいち」を活用した事業承継対策を実施。
後継者を被保険者とする退職年金プランを設計し、会社から掛金を拠出することで、後継者への資産移転を実現しました。
また、退職金準備と同時に、後継者の老後資金準備もサポートすることができました。
企業型確定拠出年金「よんまるいち」に関するよくある質問
Q1. 従業員が1人でも導入できますか?
A1. はい、従業員が1人でも導入可能です。社長一人だけの会社でも導入できます。
Q2. 運用はどのように行うのですか?
A2. 従業員が、運営管理機関が用意した運用商品の中から、自身のリスク許容度や運用方針に合ったものを選択し、運用指示を出します。
Q3. 途中で会社が倒産したらどうなるのですか?
A3. 企業型確定拠出年金は、会社とは別の年金基金で管理されているため、会社が倒産した場合でも、積立金は保全されます。
Q4. 確定拠出年金法改正の影響は?
A4. iDeCoへの加入年齢引き上げ、企業型確定拠出年金の加入要件緩和など、より利用しやすい制度へと変更されました。
まとめ
今回は、企業型確定拠出年金「よんまるいち」について解説しました。
「よんまるいち」は、 節税効果 だけではなく、 従業員満足度向上 や 退職金準備 にも繋がる、企業にとっても従業員にとってもメリットの多い制度です。
導入を検討されている方は、専門家にも相談しながら、自社にとって最適な制度設計を行うようにしましょう。
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