2024年7月、新NISA開始から間もなく、投資初心者を震撼させる出来事が起こりました。
日経平均株価がわずか半月で30%以上も暴落!
「投資は長期で持っていれば大丈夫」
そう信じていた人々にとっても、今回の暴落は大きな試練となりました。
「やっぱり投資は怖い」「もう投資をやめようかな…」
そう感じている方も少なくないでしょう。
実際に、投資信託協会の調査によると、30%の株価下落に耐えられる投資家はわずか10%程度という衝撃的なデータが出ています。
今回は、多くの人が株価の乱高下に耐えきれなくなる理由を、実際のデータを用いて解説するとともに、暴落を乗り切るための長期投資成功の秘訣について、わかりやすく解説していきます。
この記事を読めば、暴落時にも慌てず、長期的な視点で資産形成に取り組むことができるようになります。
ぜひ最後まで読み進めて、投資の成功へ繋げていきましょう!
暴落は最良の教科書!2024年夏の株価暴落を振り返る
2024年夏、新NISAをきっかけに投資を始めた方々にとって、今回の株価暴落は忘れられない経験になったのではないでしょうか?
わずか半月で、日経平均株価は30%以上も下落。
7月11日に4万2000円を超えていたのが、8月5日には3万1500円台まで急落するという、まさに「暴落」と呼ぶにふさわしい値動きでした。
それだけではありません。
- ドル円は一時141円台まで急騰し、わずか半月で15%以上も円高が進行。
- 米国市場でも、S&P500がわずか半月で10%以上下落。
- eMAXIS Slim S&P500やeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)といった、長期投資の定番商品からも、多額の資金流出が発生しました。
一体なぜ、このような暴落が起きてしまったのでしょうか?
2024年夏、市場を揺るがした出来事
今回の暴落の背景には、以下のような出来事が挙げられます。
【2024年7月31日】
- 日銀が0.25%の利上げを発表
- FRB(米連邦準備制度理事会)が政策金利据え置きを発表するも、9月以降の利下げの可能性を示唆
【2024年8月1日】
- インテルが赤字決算を発表
- 米国の失業保険申請件数が増加
- 米国のISM製造業景況指数が予想を下回る
【2024年8月2日】
- 米国の雇用統計が市場予想を下回る
【2024年8月5日】
- 著名投資家ウォーレン・バフェット氏が率いるバークシャー・ハサウェイが、アップル株を大量売却したとの報道
これらの出来事が重なり、世界的にリスク回避の動きが強まりました。
特に、日銀の利上げは17年ぶりということもあり、市場に大きなインパクトを与えました。
メディアは「暴落」を煽る報道ばかり…
今回の株価急落を受け、多くのメディアは「暴落」を煽るような報道を繰り返しました。
- 「日経平均、史上最大の下げ幅」
- 「ブラックマンデー級の大暴落」
- 「売り注文殺到でサーキットブレーカー発動」
- 「証券会社に売りの電話が殺到」
このようなセンセーショナルな見出しが躍り、投資家の不安をさらに増幅させました。
特にSNS上では、
- 「全員投げ売り」
- 「阿鼻叫喚の地獄絵図」
- 「退職金全額投資した人が大損!」
といった、刺激的な言葉が飛び交い、パニック状態に陥る人も少なくありませんでした。
しかし、重要なのは、このようなメディアやSNSの情報に惑わされないことです。
冷静に状況を分析し、長期的な視点で投資判断を行うことが重要です。
【衝撃】投資信託協会のデータが示す投資の現実
「長期投資は、ただ市場に投資し続ければ良い」
頭ではわかっていても、実際に暴落を経験すると、冷静さを失い、売却したくなってしまうものです。
投資信託協会の調査によると、多くの投資家が「損失」に対して、非常に脆弱であることが明らかになっています。
【損失許容度テスト】あなたはいくらまで耐えられますか?
投資信託協会の「2023年度 投資信託に関するWeb調査」では、投資家の損失許容度に関する興味深いデータが公表されています。
【質問】
株式に100万円を投資して損失が出た場合、どれぐらいの金額までなら保有を継続しようと思いますか?(一つだけ選択)
- 1万円
- 10万円
- 20万円
- 30万円
- 50万円
- 70万円
- 90万円
- 100万円(すべて)
【結果】
- 1万円の損失(-1%)で売却: 40.2%
- 10万円の損失(-10%)まで許容できる: 31.1%
- 20万円の損失(-20%)まで許容できる: 12.7%
- 30万円の損失(-30%)まで許容できる: 4.8%
なんと、1%でも損失が出たら売ってしまう人が4割以上もいるという結果に!
さらに、10%の損失まで耐えられる人は全体の約3割、今回の暴落のように30%を超える下落に耐えられる人は、わずか1割にも満たないことがわかります。
【投資信託では?】
同様の質問を投資信託について行ったところ、結果は株式投資とほぼ同じでした。
つまり、投資対象が株式であれ投資信託であれ、多くの投資家は、損失に対して極めて脆弱であると言えるでしょう。
年齢別・年収別に見る「損失許容度」の違い
損失許容度は、年齢や年収によっても異なってきます。
【年齢別に見る損失許容度】
- 全体的に、40代・50代は損失許容度が低め
- 特に50代では、1万円の損失(-1%)で売却する人が45%にものぼる
【年収別に見る損失許容度】
- 全体的に、年収が低いほど損失許容度も低い傾向
- 年収300万円未満の人は、1万円の損失(-1%)で約半数が売却
- 年収1,000万円以上の人は、30万円の損失(-30%)まで保有する人が25.5%と、他の年収層に比べて高め
これらの結果から、資金に余裕がない人ほど、損失に耐えられず、早期に売却してしまう傾向があると言えます。
【衝撃】投資信託の平均保有期間は「3年未満」
「長期投資」という言葉が叫ばれるようになって久しいですが、現実には、短期で売買を繰り返す投資家が多いようです。
日経新聞の調査によると、投資信託の平均保有期間は、まだ3年未満という結果が出ています。
せっかく長期投資を始めても、3年も経たずに売却してしまう人が多いというのは、非常に残念なことです。
なぜ長期投資ができないのか?その3つの理由とは
ここまで見てきたように、「長期投資」は、言うは易く行うは難し。
多くの人が、長期投資を実践できないのには、3つの大きな理由があります。
- 人間の心理バイアス
- 投資対象のリスクに対する理解不足
- 自分自身のリスク許容度の認識不足
理由1:人間の心理バイアス
人間は、合理的な判断ができるとは限りません。
特に、お金が絡むと、冷静さを失い、感情的に行動してしまうことがよくあります。
行動経済学では、人間の非合理的な行動を説明する様々な「心理バイアス」が提唱されていますが、投資において特に注意すべきは、**「損失回避バイアス」**です。
「損失回避バイアス」とは、人は利益を得ることよりも、損失を避けることを強く意識する心理的な傾向のこと。
例えば、10万円の利益よりも、10万円の損失の方が、心理的な影響が大きいと感じる人が多いのです。
投資においても、含み益が出ている時よりも、含み損が出ている時の方が、不安や恐怖を感じやすくなります。
そして、この不安や恐怖に耐えきれず、損失が拡大する前に、早々に売却してしまうという行動につながってしまうのです。
理由2:投資対象のリスクに対する理解不足
「リスク」という言葉は、投資の世界では、「リターンを得るために負わなければならないもの」という意味で使われます。
投資信託協会の調査によると、投資未経験者の約7割が、「リスク」の意味を正しく理解していないという結果が出ています。
リスクを正しく理解しないまま投資を行うことは、車の運転免許を持たずに、高速道路を走るようなもの。
大変危険な行為です。
投資におけるリスクは、「標準偏差」という指標で表されることが多いです。
標準偏差とは、簡単に言うと、投資商品の価格変動の大きさのこと。
標準偏差が大きいほど、価格変動が激しく、ハイリスク・ハイリターンな投資商品と言えます。
逆に、標準偏差が小さいほど、価格変動が穏やかで、ローリスク・ローリターンな投資商品と言えます。
投資初心者の方は、まず、自分が投資しようとしている商品のリスク水準を、しっかりと理解することが大切です。
理由3:自分自身のリスク許容度の認識不足
リスク許容度とは、「どれくらいの損失までなら許容できるか」という、投資家自身の許容範囲のことです。
リスク許容度は、年齢、年収、資産状況、投資経験、性格などによって異なってきます。
例えば、
- 若年層は、老後までの時間的余裕があるため、リスク許容度が高め
- 高年層は、老後の生活資金を守る必要があるため、リスク許容度は低め
- 年収が高い人は、資金に余裕があるため、リスク許容度が高め
- 投資経験が豊富な人は、リスクに対する耐性がついているため、リスク許容度が高め
自分のリスク許容度を理解せずに、ハイリスクな投資をしてしまうと、大きな損失を出した時に、精神的に耐えられなくなり、最悪の場合、投資を諦めてしまうことにもなりかねません。
投資を始める前に、まずは、自分自身のリスク許容度を把握することが重要です。
全国銀行協会のウェブサイトでは、「あなたのリスク許容度診断テスト」を無料で受けることができます。
10個の質問に答えるだけで、簡単に自分のリスク許容度をチェックできますので、ぜひ試してみてください。
4. インデックス投資は長期で勝つ投資法!
長期投資で成功するために、おすすめしたいのが**「インデックス投資」**です。
インデックス投資とは、特定の指数(インデックス)に連動することを目指す投資方法です。
例えば、アメリカの代表的な株価指数であるS&P500に連動する投資信託に投資すれば、S&P500の値動きとほぼ同じようなリターンを得ることができます。
インデックス投資をおすすめする3つの理由
インデックス投資が、長期投資におすすめできる理由は、主に以下の3点です。
- 低コストで運用できる
- 分散投資効果が高い
- 長期的に安定したリターンが期待できる
【1. 低コストで運用できる】
インデックス投資は、市場全体の動きに追従することを目指すため、個別銘柄の選定や売買のタイミングを図る必要がありません。
そのため、運用にかかるコスト(信託報酬など)を、非常に低く抑えることができます。
【2. 分散投資効果が高い】
インデックス投資では、特定の指数に連動する投資信託を購入することで、その指数に採用されている銘柄全てに投資していることと同じ効果を得られます。
例えば、S&P500に連動する投資信託を購入すれば、アップル、マイクロソフト、アマゾンなど、アメリカの優良企業500社の株式に、一度に投資することができます。
このように、多くの銘柄に分散投資することで、特定の銘柄の株価下落の影響を抑え、リスクを低減することができます。
【3. 長期的に安定したリターンが期待できる】
株式市場は、短期的には乱高下を繰り返しますが、長期的には、経済成長とともに右肩上がりに成長していく傾向があります。
実際に、過去100年以上のデータを見ても、S&P500は、年率平均約10%のリターンを生み出しています。
インデックス投資は、この株式市場の成長の恩恵を、効率的に享受できる投資方法と言えるでしょう。
【投資の神様も推奨】長期投資の成功法則
「投資の神様」として知られるウォーレン・バフェット氏も、**「S&P500に連動するインデックスファンドこそが、最も賢明な投資だ」**と述べています。
バフェット氏は、2007年に、ヘッジファンドの運用者と、「今後10年間で、S&P500に連動するインデックスファンドと、ヘッジファンドのどちらが、高いリターンを生み出すか」という賭けをしました。
結果は、バフェット氏が選んだS&P500インデックスファンドの圧勝。
このことから、「プロの投資家であっても、市場平均を上回るリターンを、継続的に出し続けることは難しい」ということが証明されました。
インデックス投資は、特別な知識や経験がなくても、誰でも簡単に始められる投資方法です。
長期投資で、着実に資産を増やしていきたいと考えている方は、ぜひ、インデックス投資を検討してみてください。
まとめ|暴落に負けずに、長期投資を成功させよう!
今回は、株価暴落をテーマに、投資の現実と長期投資を成功させるための秘訣について解説してきました。
改めて、重要なポイントを3つおさらいしておきましょう。
- 暴落は、市場が「上がり続ける」という幻想を打ち砕き、「リスク」と向き合うことの大切さを教えてくれる、貴重な経験である
- 長期投資は、ただ「放置」すれば良いのではなく、「投資」という行為と向き合い続けることが重要である
- インデックス投資は、低コストで、分散投資効果も高く、長期的に安定したリターンが期待できる、初心者から上級者までおすすめできる投資方法である
今回の暴落を機に、改めて、ご自身の投資目標、リスク許容度、投資手法などを見直し、長期的な視点で資産形成に取り組んでいきましょう。
「千里の道も一歩から」
焦らず、コツコツと、投資を継続していくことが、将来の豊かな生活を実現するための、確実な方法です。
さあ、あなたも今日から、長期投資を始めましょう!
選ばれてNo.1