「円高が止まらない…」「資産が目減りしていく…、投資をやめた方がいいの?」
2023年7月以降、急激な円高が進行しています。円高は投資家の心理を冷やし、不安を感じている方も多いのではないでしょうか?
本記事では、2024年最新の金融状況を踏まえ、急激な円高の原因や今後の見通し、そして円高時における最適な投資行動について分かりやすく解説していきます。
特に、これから資産形成を始める方や投資初心者の方に向けて、円高を乗り切るための具体的な方法や考え方を具体例を交えながらお伝えしますので、ぜひ最後まで読んでみてください。
この記事を読めば、円高に対する不安が解消され、将来にわたって安心して投資を継続できるようになります。
1. なぜ急激に円高になったのか? その背景を解説!
2023年7月以降、ドル円は1ドル=160円台から130円台まで急激に円高が進みました。わずか2ヶ月で23円もの円高、これは歴史的な円高スピードと言えるでしょう。
この急激な円高の背景には、主に2つの要因が考えられます。
1-1. アメリカの金融政策:利下げの可能性が高まり
アメリカの中央銀行であるFRB(連邦準備制度理事会)は、2023年以降、インフレ抑制のために積極的な利上げを行ってきました。しかし、その効果もあり、インフレ率はピーク時と比較すると落ち着きを見せています。
このような状況を受け、FRBは2024年以降、利下げに転じる可能性が示唆されています。
9月19日に開催されたFOMC(連邦公開市場委員会)では、政策金利は据え置かれましたが、年内の利下げの可能性は否定されていません。
今後のアメリカの経済指標次第では、利下げが実施される可能性もあり、そうなればさらに円高が進む可能性も考えられます。
1-2. 日本の金融政策:日銀の金融緩和修正と今後の利上げ観測
長らく金融緩和政策を続けてきた日本銀行は、2023年7月にイールドカーブコントロール(YCC)の運用を柔軟化しました。
これは事実上の利上げであり、今後も段階的に金融緩和政策を修正していく可能性が示唆されています。
日本のインフレ率は、日銀の目標である2%を上回っており、今後もインフレが続くようであれば、日銀はさらなる金融緩和政策の修正、つまり利上げを行う必要に迫られるでしょう。
日米の金利差縮小は、さらなる円高を招く要因となるため、今後の日銀の金融政策には注目が必要です。
2. 円高はいつまで続く? 専門家の見解と今後の展望
では、この円高トレンドはいつまで続くのでしょうか?
現時点では、2024年中は緩やかな円高傾向が続くと予想されます。
その理由として、
- アメリカの利下げ観測
- 日本の金融緩和修正による金利上昇の可能性
が挙げられます。
しかし、為替市場は様々な要因によって変動するものであり、予測は困難です。
今後、アメリカの金融政策や日米の金利差、世界経済の動向など、様々な要因を総合的に判断していく必要がありそうです。
3. 円高は日本株にどう影響する?
一般的に、円高は輸出企業を中心に日本企業の業績に悪影響を与えると言われています。
3-1. 為替差損の発生
円高になると、海外で販売した製品のドル建て売上を円に換算する際に、受け取れる円建ての金額が少なくなります。
これを為替差損と言い、企業の業績を悪化させる要因となります。
特に、自動車や電機など、輸出比率の高い製造業への影響は大きいです。
3-2. 外国人投資家にとっての日本株の魅力低下
円高は、外国人投資家にとって日本株の魅力を低下させる可能性があります。
なぜなら、円高になると、同じドル建ての資金で買える日本株の量が減ってしまうからです。
外国人投資家は、日本株の値上がり益だけでなく、円安による為替差益も期待して投資をしています。
円高が進むと、為替差益を得られる可能性が低くなるため、外国人投資家の投資意欲が減退し、日本株市場全体の低迷につながる可能性も考えられます。
4. 円高は外国株投資にどう影響する? メリット・デメリットを解説
では、円高は外国株投資にどのような影響を与えるのでしょうか?
4-1. 円高による外国株投資のデメリット
為替ヘッジなしの投資信託は、円高になると評価額が目減りする可能性があります。
例えば、あなたがアメリカのS&P500に連動する投資信託に投資していたとします。
- S&P500の株価が10%上昇した場合でも、同時に円高が10%進行すると、投資信託の評価額は±0となり、利益は得られません。
このように、円高は外国株投資において、為替差損というリスクをもたらす可能性があります。
4-2. 円高による外国株投資のメリット
一方で、円高は外国株投資を始める良い機会とも言えます。
なぜなら、円高時は、同じ日本円でより多くのドルを購入できるため、海外の株や投資信託を割安で購入できるからです。
例えば、1ドル=150円の時に1万ドル分の外国株を購入するには150万円必要ですが、1ドル=100円の時に購入できれば100万円で済みます。
50万円も安く購入できることになります。
将来、円安になった際には、為替差益も期待できます。
円高は、長期投資の視点で見れば、むしろチャンスと言えるでしょう。
5. 円高時こそ始めたい! 投資で失敗しないための3つの行動指針
円高だからといって、投資をやめるのは得策ではありません。
むしろ、円高は長期的な資産形成のチャンスと捉え、適切な投資行動をとることで、将来の資産を増やす可能性を高めることができます。
ここでは、円高時における投資で失敗しないための3つの行動指針をご紹介します。
5-1. 長期投資の視点を持ち、積立投資を継続する
投資で最も重要なことは、「時間分散」です。
短期的には、為替や市場の動向によって資産価値が上下することは避けられません。
しかし、長期的に見れば、世界経済は成長を続けると予想され、それに伴い株式市場も成長していく可能性が高いでしょう。
焦らずに、長期的な視点で投資を継続することが、成功への鍵となります。
特に、毎月一定額を積み立てていく「積立投資」は、時間分散の効果を最大限に活かせる投資方法です。
円高局面では、投資信託の積立を継続することで、割安な価格でより多くの口数を積み上げることができ、将来の資産増加を期待できます。
5-2. 投資対象の分散
投資におけるリスクを軽減するために重要なのが、「分散投資」です。
- 特定の資産や地域に集中して投資するのではなく、株式、債券、不動産、コモディティなど、異なる資産クラスに分散して投資することで、リスクを軽減することができます。
- また、日本だけでなく、アメリカ、ヨーロッパ、アジアなど、世界中の国や地域に投資先を広げることも有効です。
5-3. マイルールに基づいた投資行動を心がける
感情に左右されずに、冷静な判断で投資を行うために、自分自身で投資のマイルールを設けることをおすすめします。
例えば、
- 毎月の積立金額
- 投資信託の積立比率
- 株価が下落した時の買い増しルール
などを決めておくことで、感情的な投資行動を防ぎ、計画的に資産形成を進めることができます。
6. まとめ:円高をチャンスに変えよう!
今回は、急激な円高の現状と今後の見通し、そして円高時における投資行動について解説しました。
円高は、短期的に見ると不安を感じることもあるかもしれません。
しかし、長期的な視点に立てば、むしろ投資を始める良い機会、あるいはポートフォリオを見直す良い機会とも言えます。
重要なのは、円高だからといって焦って投資をやめたり、短期的な売買に走ったりするのではなく、長期的な視点と冷静な判断を持って、適切な投資行動を継続することです。
本記事を参考にして、円高を乗り越え、将来にわたって安心して資産形成を続けていきましょう!
※ 本記事は、一般的な情報提供を目的としており、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。投資に関する最終的な決定は、ご自身の判断でお願いいたします。