「NISAでコツコツ積み立ててたのに、まさかこんな事に…。」
「毎日株価が気になって夜も眠れない…。」
2024年8月、日経平均株価は歴史的な暴落と暴騰を繰り返すジェットコースター相場となっています。連日報道される「暴落」「史上最大の下落」「ブラックマンデー超え」といったショッキングな言葉に、不安と恐怖を感じている方も多いのではないでしょうか?
せっかく始めた投資なのに、このジェットコースター相場に振り回されて、心が折れそうになっている方もいるかもしれません。
「もう投資をやめてしまいたい…。」
そう考える前に、少しだけ立ち止まって考えてみませんか?
この記事では、2024年8月の株価暴落の真相から、乱高下相場を生き抜くための投資戦略、そして私たちを蝕む投資の罠「心理バイアス」 について、図解を交えながらわかりやすく解説していきます。
この記事を読めば、ジェットコースター相場を乗り切り、長期的な資産形成を実現するためのヒントが得られるはずです。
最後まで読み進めて、賢く堅実に、そして何より安心して投資を続けていきましょう!
2024年8月5日、日本株市場で一体何が…?パニック加速、歴史的暴落
2024年8月5日、日本株市場はパニックに見舞われ、歴史的な暴落を記録しました。
この日、日経平均株価は一時4,700円以上も下落、下落率はあの「ブラックマンデー」を超える事態となりました。
【日経平均株価 史上最大の下落幅 TOP3】
- 2024年8月5日:-4,451円
- 1987年10月20日(ブラックマンデー):-3,891円
- 2020年8月2日:-2,216円
さらに、事態を重く見た東京証券取引所は、売買を一時的に停止する「サーキットブレーカー」を発動。 東日本大震災以来、約13年ぶりの発動となりました。
この日の市場は、まさに「パニック」という言葉がぴったりの状況でした。
メディアもSNSも大騒ぎ!「暴落煽り」の嵐
8月5日の株価大暴落を受け、メディアやSNSでは「暴落」を煽るような情報が溢れかえりました。
- 「全員投げ売り」(日経新聞電子版)
- 「証券会社に売りの電話が殺到」
- 「阿鼻叫喚」「死人がゴロゴロ」(SNS)
- 「60代で退職金全額注ぎ込む…悶絶中」(SNS)
これらの情報に恐怖を感じ、「自分も早く売らないと損をしてしまう!」 と、冷静さを失ってしまった投資家も少なくありません。
しかし、本当に大切なことは、「暴落煽り」に惑わされることなく、冷静に状況を判断することです。
一転、8月6日は歴史的暴騰!何が起きている?
8月5日の歴史的な暴落から一夜明けた8月6日、今度は日経平均株価が3,200円以上も上昇、史上最大の上げ幅を記録する という、まさにジェットコースターのような展開となりました。
【日経平均株価 史上最大の上げ幅 TOP3】
- 2020年8月6日:+3,453円
- 1990年10月2日:+2,677円
- 2024年8月6日:+3,288円
この急騰劇を受け、今度は買いの注文が殺到し、再び「サーキットブレーカー」が発動される事態に!
わずか2営業日で、史上最大の下落と上昇を記録するという、まさに異例の事態となりました。
なぜこんなことに?急落・急騰の背景を探る
では、なぜこれほどまでに株価が乱高下しているのでしょうか?
その背景には、主に以下の4つの要因が考えられます。
【株価乱高下の4つの要因】
- 米国景気後退懸念
- 主要ハイテク株の企業業績懸念
- 著名投資家によるApple株売却報道
- 日米金利差縮小による円高傾向
順番に詳しく見ていきましょう。
1. 米国景気後退懸念
日本経済と密接な関係にある米国経済。
最近では、米国景気の後退を示唆するデータが相次いで発表され、市場に不安が広がっています。
【米国景気後退を示唆するデータ】
- 雇用統計: 失業率が上昇、雇用者数の伸びも鈍化
- 失業保険申請件数: ほぼ1年ぶりの高水準
- ISM製造業PMI: 8ヶ月ぶりの大幅な活動縮小
これらのデータを受け、市場では「米国経済は景気後退入りするのではないか?」という懸念が強まっています。
米国景気の後退は、日本経済にも大きな影響を与える可能性があり、日本株市場もその影響を受けていると考えられます。
2. 主要ハイテク株の企業業績懸念
2023年8月1日、アメリカの巨大半導体メーカーであるIntelが、2,400億円もの巨額赤字決算を発表 し、世界中に衝撃が走りました。
Intelの業績悪化は、世界的な半導体需要の減退を示唆するものであり、ハイテク株全体の先行き不安を高める結果となりました。
実際、Intelの決算発表後、ハイテク株が多いナスダック総合指数や、半導体関連株で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)は大きく下落しました。
また、GoogleやMicrosoftなどの主要ハイテク企業も、市場予想を下回る決算を発表しており、ハイテク株に対する懸念は払拭されていません。
3. 著名投資家によるApple株売却報道
投資の神様として知られるウォーレン・バフェット氏が率いる投資会社バークシャー・ハサウェイが、保有するApple株の一部を売却した との報道がありました。
この報道を受け、Appleの株価は一時的に下落。Appleは世界で最も時価総額の大きい企業の一つであり、その動向は世界中の投資家に注目されています。
バフェット氏のApple株売却は、市場に大きなインパクトを与え、日本株市場にも影響を与えた可能性があります。
4. 日米金利差縮小による円高傾向
日本銀行は長らく**「ゼロ金利政策」** を続けてきましたが、2023年7月31日、金利を0.25%に引き上げる「利上げ」を決定しました。
一方、米国では、FRB(連邦準備制度理事会)が利下げの可能性を示唆しており、日米の金利差は縮小傾向にあります。
一般的に、金利差が縮小すると、円高ドル安に進む傾向があります。
円高は、輸出企業の業績悪化要因となるため、日本株市場にとってマイナス材料とされています。
日本株はオワコン…? いや、まだ諦めるのは早い!
ここまで、2023年8月の株価暴落の要因について解説してきました。
確かに、日本株市場を取り巻く環境は厳しさを増していますが、「日本株はオワコンだ」「もう投資をやめてしまいたい」と考えるのはまだ早いです。
むしろ、長期的な視点で見れば、今こそ日本株に投資するチャンスと言えるかもしれません。
その理由を、以下の3つのポイントから解説していきます。
【日本株に投資するチャンス?】
- バブル期と比べて割安な株価
- 円高メリットを受ける企業も
- 日本企業の底堅い収益力
1. バブル期と比べて割安な株価
「日本株はバブル崩壊後、低迷が続いてきた」というイメージを持つ方も多いかもしれません。
しかし、現在の日本株は、バブル期と比較して割安な水準となっています。
株価の割安度を測る指標の一つに、「株価収益率(PER)」があります。PERは、株価が1株当たり純利益の何倍になっているかを示す指標で、PERが低いほど株価は割安と評価されます。
バブル期の日本株のPERは、70倍を超えることもありましたが、現在のPERは16倍程度と、バブル期と比較して大幅に割安な水準となっています。
指標 | バブル期 | 現在 |
株価収益率(PER) | 70倍超 | 16倍程度 |
2. 円高メリットを受ける企業も
円高は、輸出企業にとってはマイナス要因となる一方、輸入企業にとってはプラス要因となります。
原材料やエネルギーを輸入に頼っている企業は、円高によって輸入コストを削減できるため、業績が向上する可能性があります。
また、海外企業の買収や海外事業展開を進める企業にとっても、円高は有利に働く可能性があります。
3. 日本企業の底堅い収益力
近年、日本企業は、「コーポレートガバナンス(企業統治)」 の強化や、「ROE(自己資本利益率)」 を重視した経営など、収益力向上に向けた取り組みを進めてきました。
その結果、多くの日本企業が、過去最高益を更新するなど、底堅い収益力を示しています。
【要注意】株価乱高下で冷静さを失わせる「投資バイアス」
ジェットコースターのような株価の乱高下の中で、私たちは冷静さを保ち、適切な投資判断を下せるでしょうか?
残念ながら、人間は感情的な生き物であり、常に合理的な判断ができるわけではありません。
特に、株価が大きく変動する局面では、「投資バイアス」 と呼ばれる心理的な偏りが働きやすく、誤った投資判断を招いてしまうリスクがあります。
投資バイアスとは、過去の経験や周囲の情報、感情などに影響されて、客観的な判断ができなくなる心理状態のことです。
ここでは、投資家が陥りやすい代表的な投資バイアスを3つご紹介します。
【投資家が陥りやすい投資バイアス】
- ハーディング(群集心理)
- 確証バイアス
- プロスペクト理論(損失回避バイアス)
1. ハーディング(群集心理)
「周りの人がみんなそう言っているから…」「みんなと同じ行動をとっていれば安心だ」
そう感じたことはありませんか?
これは、「ハーディング(群集心理)」 と呼ばれる心理現象が働いているためです。
ハーディングとは、周りの人が同じ行動をとっていると、自分もつられて同じ行動をとってしまう心理のことです。
投資においても、「みんなが株を買っているから自分も買おう」「みんなが売っているから自分も売ろう」 と、周りの投資家の行動に流されてしまうことがあります。
特に、株価が大きく変動する局面では、冷静さを失い、ハーディングに陥りやすくなります。
「みんなと同じ行動をとっていれば安心」 と考えるのは危険です。
投資は、あくまで 「自己責任」 であり、周りの意見に流されることなく、 「自分自身の頭で考えて」 判断することが大切です。
2. 確証バイアス
「自分の考えは正しいはずだ」「自分の考えに反する情報は信じたくない」
そう思ったことはありませんか?
これは、 「確証バイアス」 と呼ばれる心理現象が働いているためです。
確証バイアスとは、自分の existing beliefs や意見に合致する情報ばかりを集め、都合の悪い情報は無視したり軽視したりしてしまう心理のことです。
投資においても、 「この株は絶対に上がる!」 と思い込んでいると、その銘柄のネガティブな情報が入ってきても無視したり、都合良く解釈したりしてしまうことがあります。
確証バイアスに陥ると、客観的な判断ができなくなり、誤った投資判断を招くリスクが高まります。
投資判断を行う際は、「自分の考えは正しい」という先入観を捨て、多角的な視点から情報収集を行うことが重要です。
3. プロスペクト理論(損失回避バイアス)
「1万円儲かった時の喜びよりも、1万円損した時の悲しみのほうが大きい」
これは、「プロスペクト理論(損失回避バイアス)」 と呼ばれる心理現象が働いているためです。
プロスペクト理論とは、人は利益を得ることよりも、損失を被ることのほうが心理的な影響が大きいと感じるという理論です。
投資においても、 「損失を確定させたくない」 という気持ちが強すぎて、損切りが遅れてしまい、結果的に大きな損失を被ってしまうことがあります。
損失回避バイアスは、投資家にとって非常に強力な心理バイアスであり、冷静な判断を妨げる大きな要因となります。
損失を最小限に抑えるためには、損切りルールを事前に決めておくなど、感情に左右されない仕組み作りが重要です。
【結論】ジェットコースター相場を生き抜くために
2023年8月の株価大暴落、そしてその後の乱高下。
このジェットコースター相場を生き抜くためには、「冷静さ」 と 「長期的な視点」 が何よりも重要です。
「暴落煽り」に惑わされず、「投資バイアス」に陥ることなく、冷静に状況を判断し、長期的な視点で投資を継続していきましょう。
今こそ思い出したい「長期投資」のメリット
- 時間分散効果: 長期にわたって投資を行うことで、短期的な価格変動リスクを軽減することができます。
- 複利効果: 運用益が再投資され、雪だるま式に資産が増えていく効果が期待できます。
具体的な投資行動
- 積立投資の継続: 株価が下落しているときは、安い価格で多くの口数を購入できるため、長期的な資産形成には有利に働きます。
- ポートフォリオの見直し: 資産配分を見直し、リスク許容度に応じたポートフォリオを構築しましょう。
- 情報収集: 信頼できる情報源から、最新の情報を入手し、冷静に状況を判断しましょう。
まとめ|焦らず、慌てず、コツコツと
2024年8月の株価乱高下は、投資家にとって大きな試練となっています。
しかし、「投資は長期戦」 です。
目先の株価に一喜一憂することなく、「時間」 を味方につけ、 「複利効果」 を最大限に活かすことで、長期的な資産形成を実現していきましょう!
選ばれてNo.1