新NISA開始から半年が経過し、投資を始めたばかりの皆さんにとって、
初めての試練とも思えるタイミング が訪れているかもしれません。
そう、株価急落と円高 です。
7月上旬に日経平均やS&P500、NASDAQ100などが史上最高値を更新したのも束の間、
7月中旬から📉📉📉と下落に転じ、7月25日時点では、
わずか短期間で10%以上も下落 しているのです。
- 日経平均は一時、バブル期を超える勢いで上昇したものの、わずか2週間で5,000円近く下落
- S&P500も5%弱、NASDAQ100に至っては9%弱の下落
- 為替市場も円高に動き、この2週間で10円近く円高が進行
この影響で、eMAX Slim S&P500やオルカンのような人気投資信託の基準価格も10%弱下落しています。
「投資を始めた途端にこんなことが…😨」
「このまま資産が減り続けてしまうのでは…😰」
そんな不安を感じている方もいるかもしれません。
そこで今回は、ここ最近の株価急落円高の背景と、
私たち投資家が今、取るべき行動 について、
新NISAで投資を始めた初心者の方にもわかりやすく解説していきます。
結論:慌てる必要はありません!
結論からお伝えすると、慌てる必要はありません。
特に、今すぐ資産を取り崩す必要がない人 にとっては、今こそ買いのチャンス です!
今回の記事では、
- 7月の株価急落・円高の背景
- 株価以上に下落した投資信託の基準価格について
- なぜ円高・株安はバーゲンセールなのか
この3点について詳しく解説していきます。
長期投資の視点を持つことで、短期的な市場の変動に惑わされず、
むしろ、ピンチをチャンスに変える ことができます。
ぜひ最後まで読み進めて、今後の投資戦略に役立ててください!
7月、株価急落・円高の背景とは?
2024年は世界的に株価が好調で、「これからもしばらくは上がり続けるのでは?」
そんな楽観的な見方もあったかもしれません。
しかし、7月後半に入り、世界的に株価は下落に転じています。
一体何が起きているのでしょうか?
ここでは、世界と日本の株価下落の理由 を詳しく見ていきましょう。
世界的な株価下落の現状
まずは、世界的に株価がどれだけ下落しているのか、その現状を確認しましょう。
指数 | 下落幅 |
日経平均株価 | 10%強 |
S&P500 | 5%超 |
NASDAQ100 | 10%弱 |
MSCI ACWI | 5%程度 |
ご覧の通り、主要な株価指数は軒並み下落しています。
中でも、アメリカのS&P500は7月24日に1年7ヶ月ぶりの2.32%もの下落を記録し、
NASDAQ100も同日に1年9ヶ月ぶりの3.6%もの下落と、大幅な下落となりました。
日本株急落の理由
次に、日本株が大きく下落した理由について見ていきましょう。
主な理由は2つあります。
- アメリカのハイテク関連株の下落
- 円高の進行による輸出企業の株価下落
特に、円高の影響は深刻です。
輸出企業は、これまでの超円安の恩恵を受けて業績を伸ばしてきましたが、
今後は、
- アメリカの利下げによる日米金利差の縮小
- トランプ氏が大統領に再選した場合の更なる円高の可能性
など、円高が進む可能性があり、大きなリスクとなっています。
アメリカ株急落の理由
続いて、アメリカ株が急落した理由についても見ていきましょう。
主な理由は以下の2つです。
- GAFAMなどAI関連株の軒並み下落
- 景気の減速懸念
GAFAMなどAI関連株の下落
最近のアメリカ株高を牽引してきたのは、
GAFAM (Google、Apple、Facebook、Amazon、Microsoft) を中心とした
大型ハイテク企業 でした。
しかし、7月24日、テスラとアルファベット(Googleの親会社)の決算発表で、
市場予想を下回る結果となったことから、株価が急落しました。
- テスラ:営業利益率の悪化、一株利益が市場予想を下回る、自動運転タクシーの公開延期などにより、12%急落
- アルファベット:市場予想に届かない業績により、5%安
これにより、他の大型ハイテク企業の株価も下落し、
市場全体に大きな影響を与えました。
景気の減速懸念
現在、アメリカでは利下げの議論が活発化していますが、
これは裏を返せば、景気減速 の可能性を示唆しています。
実際、
- 製造業PMI(購買担当者景気指数)の低下
- 新築住宅販売件数の減少
など、景気減速を示す経済指標も発表されています。
こうした景気減速懸念が、株価下落のもう一つの要因として挙げられます。
円高進行の理由
最後に、円高が進行している理由について見ていきましょう。
主な理由として、以下の3つが挙げられます。
- アメリカの利下げ観測
- 日銀の利上げの可能性
- トランプ氏の米大統領選出馬
アメリカの利下げ観測
アメリカで利下げが行われれば、日米の金利差が縮小し、
相対的に円の価値が上がる可能性があります。
日銀の利上げの可能性
日銀に対しても利上げを求める声が強くなっており、
実際に利上げが行われれば、更なる円高が進む可能性があります。
トランプ氏の米大統領選出馬
トランプ氏は、円安是正に積極的な姿勢を示しており、
大統領選で勝利した場合、円高に動く可能性があります。
株価以上に下がった投資信託の基準価格!
「投資信託は、分散投資だから個別株よりもリスクが低い」
そう思っている方もいるかもしれません。
しかし、円高になると、
外国株式投資信託は為替の影響で基準価格が下落してしまう ため、
注意が必要です。
ここでは、円高が投資信託に与える影響について、具体的な例を挙げて見ていきましょう。
円高による投資信託への影響
2022年10月から2023年1月までの3ヶ月間を例に見てみましょう。
この時期、
- S&P500は約11%上昇
- ドル円は約14円も円高
となりました。
その結果、eMAX Slim S&P500は、
株価自体は上昇したにもかかわらず、円高の影響で基準価格が約5%下落 してしまったのです。
このように、投資信託においては、円高の影響 を無視することはできません。
実際、2024年7月は円高が進行したため、
S&P500などの指数の下げ幅よりも、投資信託の基準価格の下落幅の方が大きくなっています。
円高・株安はバーゲンセールだ!
ここまで、株価急落と円高の背景、
そして、投資信託への影響について解説してきました。
「もう投資をやめてしまおうかな…」
そう思った方もいるかもしれません。
しかし、ちょっと待ってください!
実は、円高と株安は、長期投資家にとって絶好のバーゲンセール なのです。
なぜ円高はチャンスなのか?
円高になると、保有資産の評価額は減少しますが、
毎月、よりお得に投資信託を購入できる ようになります。
例えば、
- 1ドル=150円の時に1万ドル分の外国株を買うには150万円必要
- 1ドル=100円になれば、100万円で同じ1万ドル分の外国株を買うことができます
つまり、円高になればなるほど、少ない円で多くの外国株を購入できる ようになるのです。
特に、これから長期で資産形成していく若い世代にとっては、
円高はむしろチャンスと言えます。
なぜ株安はチャンスなのか?
株安は、将来、株価が上がった時の値上がり益をより多く得られるチャンス です。
投資信託は、基準価格 × 口数 = 評価額 です。
つまり、基準価格が下がれば、同じ1万円でも多くの口数を買うことができます。
そして、将来、基準価格が上がった時に、
多くの口数を持っているほど、大きな資産を得られる ことになるのです。
大暴落が来たらどうする?
「でも、暴落が来たらどうしよう…」
そんな不安を感じる方もいるかもしれません。
確かに、2024年7月の株価下落は、
2023年秋以降の好調な相場から一転したものであり、
不安に感じるのも無理はありません。
しかし、長期投資において、
1ヶ月の間に5%から10%株価が下がることは決して珍しいことではありません。
S&P500やオルカンなどの株価指数は、長期的に見れば右肩上がりですが、
今回のように、一時的に調整局面を迎えることは必ずあります。
そして、そんな時こそが、絶好の仕込み時 なのです。
私たちは、短期的な株価の変動に一喜一憂することなく、
淡々と積立投資を継続していく ことが大切です。
一括投資をした人は?
「年初に一括投資をしたけど、これから暴落したらどうしよう…」
そう後悔している方もいるかもしれません。
しかし、長期投資 ということを思い出してください。
長期的に見れば、株価は右肩上がりで成長していくと信じて、
一括投資をしたはずですよね?
ですから、初心を忘れず、長期投資を継続していきましょう。
もし、今回の株価下落を経験して、
「やっぱり一括投資は価格変動が大きくて怖い…」
と感じた方は、来年以降の新NISAでは、
積立投資に切り替える のも検討してみると良いかもしれません。
投資で不安になったら?
投資をしていると、不安になる時もあると思います。
そんな時は、投資の名著を読んで心を落ち着かせるのもおすすめ です。
特におすすめなのが、
チャールズ・エリスの**「敗者のゲーム」** です。
この本では、「稲妻が輝く瞬間に市場にいなければいけない 」
という言葉が紹介されています。
「稲妻」とは、投資における絶好の買いのタイミング のことです。
しかし、72年間のうち、たった5日間しかない
「稲妻が輝く瞬間」を見極めることは、
プロの投資家でも至難の業です。
だからこそ、**暴落時も含め、常に市場に投資をしておくことが重要
だと説かれています。
つまり、私たち個人投資家は、
「稲妻が輝く瞬間」を予測しようとせず、
淡々と積立投資を続けることが、
長期的な資産形成において最も重要なことなのです。
まとめ|長期的な視点で投資を継続しよう
今回は、2024年7月に起きた株価急落と円高について、
その背景や私たち投資家が取るべき行動について解説してきました。
今回の下落は、投資初心者の方にとっては、
大きな不安を感じる出来事だったかもしれません。
しかし、重要なことは、短期的な市場の変動に惑わされず、
長期的な視点で投資を継続していく ことです。
円高・株安は、長期投資家にとっては、
むしろ、将来の大きなリターンを得るための絶好のチャンス と言えます。
今回の記事を参考に、
焦らず、慌てず、そして、諦めずに、
投資を継続していきましょう!
新NISAで投資を始めるなら
新NISAは、少額から非課税で投資できる制度です。
ぜひこの機会に、投資を始めてみてはいかがでしょうか?
投資信託の積立投資ができる
証券会社のおすすめは、以下のとおりです。
- SBI証券: 投資信託の取扱数が多く、手数料も安い
- 楽天証券: 楽天ポイントを使って投資信託を購入できる
- auカブコム証券: Tポイントを使って投資信託を購入できる
最後に
投資は自己責任です。
最終的な投資判断は、ご自身の責任で行うようにしてください。
免責事項
本記事は、一般的な情報提供を目的としたものであり、
特定の金融商品の売買を勧誘するものではありません。
投資に関する決定は、ご自身の判断と責任において行うようにしてください。