「NTT株、20%急落!」
こんなショッキングな見出しを最近見かけた方もいるのではないでしょうか?
長年、安定した成長を続けてきたNTT株が、ここにきて大きく値を下げています。
特に、NISA(少額投資非課税制度)を使って、今年から投資を始めたばかりの初心者の方にとっては、大きな不安を感じている方もいるかもしれません。
「このままNTT株を持ち続けていても大丈夫なの?」
「損切りすべき?それとも買い増しのチャンス?」
今回は、NTT株がなぜここまで下落したのか、その背景や今後の見通し、そして投資判断のポイントまで、初心者の方にも分かりやすく解説していきます。
この記事を読めば、NTT株の現状と今後の展望、そしてあなたにとって最適な投資行動を理解することができます。
ぜひ、最後まで読んでみて下さい。
日本の通信事業最大手であり、東西地域会社やドコモなどを傘下にもっている。
拡大が続くとみられるデータセンターの建設に巨額の投資を行っており、AI関連での成長が期待できる!
2023年、株式を25分割したことで低価格で保有しやすくなった。
2~5年の長期保有は必要だが、使い勝手のいい「dポイント」が付与され、配当利回りも低くはないため、
ぜひ長期保有を!
NTT株、なぜ下落?その背景を探る
まずは、NTT株がなぜ下落しているのか、その背景を詳しく見ていきましょう。
NTT株は、2023年に入ってから、一時4,000円台まで上昇していました。
しかし、その後は下落傾向に転じ、2024年5月には、高値から20%以上も値を下げています。
この株価下落の要因としては、主に以下の3つが挙げられます。
- 業績の鈍化懸念
- 競合他社の台頭
- 信用取引の増加
業績の鈍化懸念
2024年5月に発表されたNTTの決算発表では、2025年3月期の連結純利益が、前期比14%減の1兆1,100億円になる見通しであることが明らかになりました。
これは、従来のアナリスト予想を下回るものであり、市場では、NTTの業績に対する先行き不安が広がっています。
特に、NTTの主力事業である固定電話事業は、スマートフォンの普及により、加入者数が減少を続けており、収益の悪化が続いています。
また、携帯電話事業においても、楽天モバイルなどの新規参入による競争激化の影響を受けています。
さらに、NTTは、次世代通信規格「6G」や、新しいデータ処理基盤「IOWN(アイオン)」などの研究開発に、今後5年間で8兆円規模の投資を行う計画を打ち出しています。
これらの投資は、将来的な成長に向けた重要な取り組みですが、短期的には、収益を圧迫する要因となる可能性も指摘されています。
SBI証券競合他社の台頭
NTTは、これまで、日本の通信業界において、圧倒的なシェアを誇ってきました。
しかし、近年では、KDDIやソフトバンクなどの競合他社が、積極的な事業展開を見せており、NTTの優位性は揺らいでいます。
例えば、KDDIは、auブランドの携帯電話事業に加えて、CATV事業や金融事業など、多角的な事業展開を進めており、安定した収益を確保しています。
また、ソフトバンクは、積極的なM&A(企業合併・買収)を通じて、通信事業以外の分野にも進出しており、新たな収益源の開拓に成功しています。
これらの競合他社の台頭により、NTTは、これまで以上に厳しい競争環境にさらされています。
信用取引の増加
信用取引とは、証券会社から資金や株券を借りて、株式売買を行うことです。
信用取引を利用することで、少ない資金で大きな利益を狙うことができますが、その反面、損失が拡大するリスクも高まります。
NTT株は、2024年に入ってから、信用取引を利用した買いが急増していました。
これは、NTT株の株価上昇を見込んだ投資家による買いが、信用取引を通じて、さらに買いを呼んだためと見られています。
しかし、株価が下落に転じると、信用取引を利用していた投資家は、損失を確定するために、一斉に株を売却し始めます。
これが、株価の下落に拍車をかけることになり、NTT株は、大きな値動きに見舞われることになりました。
NTT、未来はどうなる?成長戦略とリスクを分析
NTT株は、短期的には、業績の鈍化懸念や競合他社の台頭、信用取引の増加など、いくつかのリスク要因を抱えています。
しかし、長期的には、日本の通信インフラを支えるリーディングカンパニーとしての地位は揺るぎないものであり、成長の可能性も秘めています。
ここでは、NTTの今後の成長戦略とリスクを分析し、未来の姿を探っていきましょう。
NTTの成長戦略
NTTは、中期経営戦略において、「Your Value Partner」をスローガンに掲げ、顧客や社会にとってより良い未来を創造することを目指しています。
そのために、以下の3つを重点戦略としています。
- DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進
- グローバル事業の拡大
- 新規事業の創出
2.1.1 DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進
NTTは、AI(人工知能)、IoT(モノのインターネット)、5G/6Gなどの先進技術を活用し、社会全体のデジタル化を推進することで、新たな価値を創造することを目指しています。
具体的には、製造業、金融業、医療分野など、様々な産業分野におけるDXを支援するサービスを提供していきます。
2.1.2 グローバル事業の拡大
NTTは、これまで、国内市場を中心に事業を展開してきましたが、今後は、海外市場への進出を積極的に進めていきます。
特に、成長が見込めるアジア市場や北米市場においては、M&Aなども視野に入れながら、事業規模の拡大を図っていきます。
2.1.3 新規事業の創出
NTTは、既存事業の枠にとらわれず、常に新しい事業の創出に挑戦しています。
特に、医療・ヘルスケア分野、スマートシティ分野、環境・エネルギー分野など、社会課題解決に貢献できる事業領域においては、積極的に投資を行っています。
NTTのリスク
NTTは、上記のような成長戦略を推進することで、将来的な成長を目指していますが、その一方で、いくつかのリスクも抱えています。
主なリスクとしては、以下の3つが挙げられます。
- 競争の激化
- 規制環境の変化
- 技術革新の遅れ
競争の激化
通信業界は、技術革新が速く、競争が激しい業界です。NTTは、国内外において、KDDIやソフトバンクなどの競合他社だけでなく、GoogleやAmazonなどの巨大IT企業とも競争していく必要があります。
競争が激化すれば、価格競争に巻き込まれ、収益が悪化する可能性もあります。
規制環境の変化
通信業界は、電気通信事業法などの法律や、総務省などの行政機関による規制を受けています。規制環境の変化は、NTTの事業活動に大きな影響を与える可能性があります。
例えば、携帯電話料金の値下げ圧力が強まれば、NTTドコモの収益が悪化する可能性があります。
技術革新の遅れ
通信業界は、技術革新が速い業界であり、NTTは、常に最新の技術を開発し、導入していく必要があります。
もし、技術革新に乗り遅れれば、競争力を失い、市場シェアを奪われる可能性もあります。
投資判断のポイント:NTT株は「買い」か「売り」か?
ここまで、NTTの現状と今後の展望について解説してきました。
では、投資家にとって、NTT株は「買い」と言えるのでしょうか?それとも「売り」なのでしょうか?
結論から言うと、NTT株への投資判断は、「投資家の投資スタイルやリスク許容度によって異なる」と言えます。
NTT株が「買い」と言える理由
- 割安な株価: NTT株は、PER(株価収益率)やPBR(株価純資産倍率)などの指標でみると、割安な水準で推移しています。これは、投資家にとって、魅力的な投資機会となり得ます。
- 安定配当: NTTは、株主還元を重視しており、安定した配当を続けています。現在の株価水準であれば、3%を超える配当利回りを期待することができます。
- 成長の潜在力: NTTは、DXの推進やグローバル事業の拡大、新規事業の創出など、将来的な成長に向けた取り組みを進めています。これらの取り組みが成功すれば、収益の拡大が期待できます。
NTT株が「売り」と言える理由
- 業績の鈍化懸念: NTTは、固定電話事業の減収や携帯電話事業の競争激化などにより、業績の鈍化が懸念されています。
- 競争の激化: 通信業界は、競争が激しく、NTTは、KDDIやソフトバンクなどの競合他社だけでなく、GoogleやAmazonなどの巨大IT企業とも競争していく必要があります。
- 規制環境の変化: 通信業界は、電気通信事業法などの法律や、総務省などの行政機関による規制を受けています。規制環境の変化は、NTTの事業活動に大きな影響を与える可能性があります。
投資判断のポイント
NTT株への投資を検討する際には、以下のポイントを踏まえることが重要です。
- 長期投資の視点: NTTは、短期的には、業績の鈍化懸念などもありますが、長期的には、日本の通信インフラを支えるリーディングカンパニーとしての地位は揺るぎないものであり、成長の潜在力も秘めています。
- リスク許容度: NTT株は、他のグロース株と比較すると、株価の値動きは小さい方ですが、それでも、市場環境の変化などによって、株価が下落する可能性もあります。投資する際には、自身のリスク許容度を踏まえて、投資額を決定する必要があります。
- 分散投資: NTT株だけに集中投資するのではなく、他の銘柄や資産クラスにも分散投資することで、リスクを軽減することができます。
投資初心者がNTT株を買うなら知っておきたいこと
投資初心者の方がNTT株を購入する際には、以下の点に注意する必要があります。
- 少額から始める: 投資に慣れていないうちは、少額から投資を始め、徐々に投資額を増やしていくようにしましょう。
- 長期保有を心がける: 株価は、短期的には上下しますが、長期的には、企業の業績を反映して推移していく傾向があります。NTTのような安定した収益基盤を持つ企業に投資する場合は、長期保有を心がけることが重要です。
- 分散投資を行う: NTT株だけに集中投資するのではなく、他の銘柄や資産クラスにも分散投資することで、リスクを軽減することができます。
- 情報収集を怠らない: 投資判断を行う前に、NTTの業績や今後の見通し、競合他社の動向、市場環境など、様々な情報を収集することが重要です。
NTT株の今後:専門家の見方は?
NTT株の今後については、専門家の間でも意見が分かれています。
楽観的な見方をする専門家は、
- NTTは、日本の通信インフラを支えるリーディングカンパニーとしての地位を確立しており、安定した収益基盤を持っていること
- 政府が進めるデジタル化政策の恩恵を受けることが期待されること
- 5G/6Gなどの次世代通信技術への投資を積極的に行っており、将来的な成長が見込めること
などを理由に、NTT株には、まだ上昇の余地があると見ています。
一方、慎重な見方をする専門家は、
- 固定電話事業の減収が今後も続くことが予想されること
- 携帯電話事業において、楽天モバイルなどの新規参入による競争激化が続いていること
- 新規事業の育成には、時間がかかると予想されること
などを理由に、NTT株の株価は、当面、低迷する可能性があると見ています。
まとめ:NTT株への投資判断は?
今回は、NTT株の現状と今後の展望について解説してきました。
NTTは、日本の通信インフラを支えるリーディングカンパニーとして、安定した収益基盤を持っています。しかし、固定電話事業の減収や携帯電話事業の競争激化など、いくつかの課題も抱えています。
今後のNTT株の値動きは、これらの課題をどのように克服していくかによって大きく左右されると考えられます。
投資を検討する際には、NTTの事業内容や業績、今後の見通し、リスクなどを十分に理解した上で、最終的な投資判断は、ご自身で行うようにしてください。
免責事項: 本記事は、投資判断の参考となる情報提供を目的としており、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資に関する最終的な決定は、ご自身の判断でお願いいたします。
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