「お金持ちになりたい」「経済的に自由になりたい」
誰もが一度は抱く願いを実現するために、投資を始める人が増えています。
しかし、投資に熱中するあまり、「お金」の本質について深く考えることなく、ただ「お金儲けの手段」として捉えている人も多いのではないでしょうか?
元ゴールドマンサックス社員であり、現在は「社会的金融教育家」として活動する田内まぶ氏は、著書『マネースキルセット』の中で、現代社会における「お金」と「幸せ」の関係について、鋭く問題提起しています。
今回は、田内氏の提唱する「お金の本質」を紐解きながら、真の豊かさとは何か、そして私たちが本当に目指すべき未来について考えていきましょう。
投資に熱中する前に…「お金の本質」について考えてみたくなりましたか?
「お金さえあれば、何でもできる」「お金持ちになれば、幸せになれる」
現代社会では、お金が全ての価値基準となり、人々はお金を追い求めることで精一杯になっているように感じます。
しかし、本当にそうなのでしょうか?
お金は確かに、生活に必要なモノやサービスと交換できる便利な「道具」です。
しかし、お金はあくまでも「手段」であり、「目的」ではありません。
お金の本質を理解せず、ただ闇雲にお金を追い求めても、真の豊かさや幸せは得られないでしょう。
むしろ、お金に振り回される人生を送ることになりかねません。
「お金」と「幸せ」の関係について、改めて考えてみませんか?
元ゴールドマン社員が語る「お金自体には価値がない」理由とは?
「お金自体に価値がない?そんなはずはない。お金があれば、何でも買えるじゃないか!」
多くの人がそう反論するかもしれません。
しかし、田内氏は「お金」の本質について、次のように語っています。
「お金」は、みんなが共通認識で価値があると感じることで成り立っている。
つまり、私たちが「価値がある」と信じているからこそ、「お金」は価値を持つのです。
「お金」はただの紙切れ?私たちが価値を感じるワケ
「お金」である紙幣や硬貨を冷静に見てみると、ただの紙切れや金属に過ぎません。
それなのに、なぜ私たちは「お金」に価値を感じるのでしょうか?
それは、「お金」が「モノやサービスと交換できる」という共通認識を、社会全体で共有しているからです。
例えば、100円の価値は、100円で買えるモノやサービスと等しいとされています。
100円で飴玉が買えるのも、100円で電車に乗れるのも、私たちが「100円はそれだけの価値がある」と信じているからこそ成り立つのです。
しかし、もしも誰もがお金を受け取ってくれなくなったら?
その瞬間、「お金」はただの紙切れと化し、何の価値も持たなくなってしまうでしょう。
税と給料が生み出す「お金の循環」の仕組み
では、なぜ「お金」は「モノやサービスと交換できる」という共通認識を持つに至ったのでしょうか?
その背景には、「税金」と「給料」の存在が大きく関わっています。
田内氏は、著書の中で「リタロドル」という架空の通貨を用いた例え話を紹介しています。
ある家族の中で、家事などを手伝ってくれない子供たちに、父親が「リタロドル」という独自の通貨を発行し、家事を手伝ったら「リタロドル」で報酬を支払うことにしました。
しかし、最初は「リタロドル」に魅力を感じていなかった子供たちも、父親が「スマホの使用料」として「リタロドル」を徴収し始めると、途端に「リタロドル」を稼ぐために家事を手伝うようになったのです。
これは、まさに私たちが生きる社会の縮図と言えるでしょう。
- 政府は、国民に対して「税金」を納める義務を課しています。
- その一方で、政府は国民に対して「給料」という形で報酬を支払っています。
この**「税金」と「給料」によって、「お金の循環」が生まれ、私たちは「お金」を使って生活できる**のです。
もしも、「税金」を納める必要がなければ、「お金」を稼ぐ必要もなくなり、「お金の循環」は止まってしまうでしょう。
円安は本当に悪いこと?為替レートを決める「真の要因」とは
近年、急激な円安が進行し、輸入コストの上昇などが社会問題となっています。
しかし、田内氏は**「円安は必ずしも悪いことではない」**と主張します。
なぜなら、円安によって日本の製品やサービスが割安になり、海外からの需要が高まる可能性があるからです。
ただし、そのためには、世界中の人々が欲しがるような、魅力的な製品やサービスを生み出す必要があります。
田内氏は、為替レートを決める「真の要因」は、その国の「労働力」だと指摘しています。
ドルや円の為替レートは、金利だけでなく、その通貨で何が手に入るのか、つまりその国の労働力や生産性によって決まる。
つまり、日本人がどれだけ質の高い労働力を持っていて、魅力的な製品やサービスを生み出せるかが、円安を克服するための鍵となるのです。
日本の未来を左右する、一人ひとりの「労働力」の重要性
田内氏は、著書の中で「火星人のお金」の例え話を紹介しています。
もしも、火星人が独自の通貨を使っていたとしても、私たちはその通貨を欲しがるでしょうか?
おそらく、答えは「NO」でしょう。
なぜなら、火星人の通貨では、地球上のモノやサービスと交換できないからです。
火星人のお金が役に立たないのは、それを使って火星人と取引できないからである。
つまり、「お金」は、その国の労働力や生産性と密接に関係しているのです。
日本円が価値を持ち続けるためには、私たち一人ひとりが、自らの「労働力」を高め、「世界で通用する人材」を目指していく必要があると言えるでしょう。
お金で解決できない問題なんてない?「お金の限界」を知っていますか?
「お金さえあれば、どんな問題も解決できる」
そう信じている人もいるかもしれません。
しかし、現実はそう甘くありません。
世の中には、「お金」だけでは解決できない問題が山積みです。
教育、医療、介護…お金だけでは解決できない社会問題
例えば、「教育」の問題を考えてみましょう。
子供たちの学力は、塾に通ったり、高価な教材を買ったりすれば、必ずしも向上するとは限りません。
- 質の高い教師
- 子供たちの学習意欲を高める教育環境
- 地域社会全体の教育に対する意識
など、お金で買えない大切な要素が数多く存在します.
「医療」や「介護」の現場においても、同様のことが言えます。
- 患者の命を救う医師や看護師
- 高齢者の生活を支える介護福祉士
など、「お金」だけでは決して得られない、人の「労働力」や「使命感」が不可欠です。
モノやサービスは「誰かの労働」によって生み出されている
私たちは、日頃から何気なく「お金」を使って、モノやサービスを手に入れています。
しかし、その裏側では、無数の「労働力」が関わっていることを忘れてはなりません。
例えば、私たちが毎日食べている「うどん」を例に挙げてみましょう。
うどん一杯が食べられるまでには、
- 小麦農家
- 製粉業者
- うどん製造業者
- 運輸業者
- スーパーマーケットの店員
- うどん屋の店員
など、多くの人々の労働力が必要となります.
「お金」は、これらの**「労働力」に対する「報酬」を支払うための「手段」**に過ぎません.
物価上昇と賃金 stagnation…その根本原因に迫る
近年、世界的なインフレーションの影響もあり、日本でも物価上昇が続いています。
しかし、賃金はなかなか上がらず、「生活が苦しい」と感じている人も多いのではないでしょうか?
田内氏は、物価上昇にもかかわらず、賃金が上がらない根本原因として、**「日本が世界で需要の高い製品を作っておらず、賃金を上げにくい状況にある」**ことを指摘しています.
かつて、日本は「モノづくり大国」として、世界中で高い評価を受けていました。
しかし、近年は新興国の台頭や技術革新の波に乗り遅れ、競争力を失いつつあります。
その結果、日本企業は価格競争に巻き込まれ、賃金を抑制せざるを得ない状況に陥っているのです。
日本は「お金持ち」でも「貧しい国」?私たちにできることとは?
「日本は経済大国だ」
そう思っている人もいるかもしれません。
しかし、現実はそれほど楽観的ではありません。
日本は、**「お金持ち」でありながら、「貧しい国」**になりつつあるのです。
「貿易赤字」「円安」…日本の抱える経済問題の現状
日本は、長年「貿易黒字」を維持してきましたが、近年は「貿易赤字」が常態化しています。
これは、* 海外からの輸入が増加している
- 輸出が伸び悩んでいる
ことを意味しており、日本経済にとって大きな課題となっています。
また、「円安」も深刻な問題です。
円安は、海外旅行が安くなったり、輸出企業の収益が増加したりするなど、メリットもあります。
しかし、* 輸入コストの上昇
- 海外からの投資意欲の減退
など、デメリットも少なくありません。
海外投資で資産が増えても、日本経済には貢献しない?
「投資でお金を増やせば、日本経済も活性化する」
そう考える人もいるかもしれません。
しかし、海外への投資で資産が増えても、日本経済への貢献は限定的です。
なぜなら、海外投資で得た収益は、日本円に換金されなければ、日本のモノやサービスの購入に使われないからです。
日本経済を活性化するためには、* 国内企業への投資
- 国内での消費
など、「日本円」が循環する仕組みを作っていく必要があります。
エネルギー問題、少子高齢化…日本の未来を明るくするために
日本は、エネルギー問題や少子高齢化など、数多くの課題を抱えています。
これらの課題を解決し、日本の未来を明るくするためには、私たち一人ひとりの行動が必要です。
- 省エネルギーの推進
- 再生可能エネルギーの導入
- 技術革新による生産性の向上
- ワークライフバランスの充実
- 子育て支援の強化
など、できることから取り組んでいくことが大切です。
まとめ|「お金の本質」を理解し、真の豊かさを目指そう
今回は、「お金の本質」について、元ゴールドマンサックス社員である田内まぶ氏の著書『マネースキルセット』の内容を参考にしながら考えてきました。
「お金」は、あくまでも私たちが幸せに生きるための「道具」に過ぎません。
「お金」に振り回されることなく、「お金」と健全な関係を築きながら、真の豊かさを目指していきましょう。
この記事を読んだあなたが、お金の本質を理解し、より良い未来を創造していくための一助となれば幸いです。
みなさまに選ばれてNo.1